平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(8)  通信・放送機構における研究開発の推進

 ア 高度三次元画像情報の通信に関する研究開発
 通信・放送機構において、複数の二次元画像情報を、高度に圧縮して伝送した後、ホログラフィ技術を用い、元の対象物の三次元動画像をリアルタイムで復元することを可能とする研究開発を、4年10月から行っている。7年度においては、動画像表示技術の研究開発を開始した。
 イ 情報通信セキュリティ技術に関する研究開発
 多様なメディアによる多種多様な情報通信における情報の漏えい、改ざん、不正利用、不正なデータベースアクセス等を防止するため、これに必要な暗号化技術、認証技術、高度安全アクセス制御技術及びこれらに係るユーザインタフェース技術に関する研究開発を通信・放送機構において、7年10月から開始した。
 ウ 異種ネットワーク間高速接続技術の研究開発
 郵政省では、7年度第一次補正予算により、通信・放送機構に対し出資を行い、同機構では、岡崎リサーチセンターにおいて異種ネットワーク間高速接続技術研究開発を9年度まで行うこととしている。
 具体的には、地域CATV網をアクセス回線として、国内の広帯域網を介し、マルチメディア情報を駆使した通信サービスを実現することを目的として、異なるプロトコルのネットワークから容易に情報を引き出す技術及びCATVと既存網・広帯域網を介して、同期のとれた動画、音声を伝送する技術について研究開発を行うものである。
 エ 超高速光通信に適した通信デバイスの開発のための研究開発
 今後、あらゆる人が、電子図書館、ビデオ・オン・デマンド、テレショッピング等を利用するにはそれを支える通信ネットワークの大容量化が必要である。そこで、郵政省では、7年度第二次補正予算により、通信・放送機構に出資を行い、同機構では、研究開発業務として光通信の超高速・大容量化を図るための通信デバイスの研究開発を行うこととしている。
 オ 分散型映像ネットワークにおける研究開発
 郵政省では、7年度第二次補正予算により、通信・放送機構に出資を行い、同機構では、研究開発施設を整備し、8年度から3年間、以下の研究開発を行うこととしている。
 (ア)  あいまい検索・提示技術に関する研究開発
 東京臨海部にリサーチセンターを設置し、複数のデータベースにアクセスして必要とする映像を簡易に検索し見やすく表示する技術の研究開発を行う。
 (イ)  ネットワーク制御・管理技術に関する研究開発
 長崎県佐世保市にリサーチセンターを設置し、広帯域ISDNの特徴であるバーチャルチャネル、バーチャルパスの設定、解除等の制御・管理技術の研究開発を行う。
 カ 阪神・淡路地域における研究開発基盤の整備
 (ア)  情報通信分野における起業支援に資する共同利用型研究開発拠点の整備
 阪神・淡路地域の復興に当たっては、雇用の安定と確保を図り、地域を活性化させるための経済復興が重要である。
 そのために、郵政省は、神戸市復興計画のシンボルプロジェクト中の神戸起業ゾーン整備構想を支援するために、7年度第二次補正予算により、通信・放送機構に対し出資を行い、同機構では、神戸市と連携して新たなサービス(第二種電気通信事業者による映像電子メール等)に必要な技術開発を行おうとする者が共同で利用できる擬似的な公衆網を整備することとしている。
 (イ)  次世代デジタル映像通信に関する総合的な研究開発
 今後、映像通信が普及することに伴い、適用されるネットワーク構成も多様化されることが想定され、種々の環境の下で高速映像通信が安定的に行われることが求められる。
 そこで、郵政省は、7年度第二次補正予算により、通信・放送機構に対し出資を行い、同機構では、神戸市と連携して、[1]映像ネットワークにおけるサーバーの最適配置に関する研究開発、[2]インターネット上での即時的な映像通信を実現する通信手段の開発、[3]通信衛星を利用した映像データ伝送技術の研究を行うこととしている。

 

 

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