平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(6)  人体の電波防護に関する取組

 電波のエネルギーが人体に及ぼす作用に関しては、2年6月に電気通信技術審議会から「電波利用における人体の防護指針」が答申され、これに基づき5年9月、(財)電波システム開発センター(現(社)電波産業会)において「電波防護標準規格」が策定され、電波防護に関する自主的な運用基準を作るためのガイドラインとして各方面で活用されているところであるが、携帯電話の利用拡大等電波利用の著しい進展に伴い、利用形態も急速に変化してきており、その内容を見直す必要がでてきている。
 そこで、郵政省では、7年9月から「人体の電波防護の在り方に関する調査研究会」を開催し、安心して無線機器を利用できる環境作りに資するため、今後の電波防護の在り方について検討を行ってきたが、8年3月、報告が取りまとめられた。今後取り組むべき主な事項は、次のとおりである。
 ア 携帯電話端末等に関する補助指針の具体化
 2年6月の電気通信技術審議会答申「電波利用における人体の電波防護指針」の基本となる考え方及び根拠となる数値は、諸外国の指針と大きな相違点はないが、携帯電話端末等の身体に接近して使用される低電力放射源の指針について、より具体的で分かりやすい説明の補足を検討する必要がある。
 イ 防護指針に関連する取組の強化
 常設の検討組織により継続的に人体の電波防護に関する活動を行っていくことを検討すべきである。特に、現在ガイドラインとして活用されている「電波防護標準規格」の補足や「電波防護Q&A」の発行、「電波防護 110番」の開設等、一般ユーザーに、より分かりやすい内容を検討することが緊急の課題である。
 ウ 研究の推進及び研究体制の充実
 我が国においても、人体の電波防護に関して本格的な実験を実施し、技術データを積み上げていくこと及び欧米との共同研究を行うこと等、研究体制の強化が必要である。

 

 

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