平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

4 生活者・消費者重視の情報通信政策

 (1)  電気通信と消費者保護に関する検討

 情報通信分野においては、電気通信事業者間の競争の進展、技術革新等によって、一層高度化・多様化したサービスが提供されるようになってきており、消費者利益の増進につながっているが、一方で、消費者が必ずしも適切な選択が行えなくなってきている面がある。
 そこで、郵政省では、7年2月から「電気通信と消費者保護に関する研究会」を開催し、消費者保護の観点から、今後情報通信分野において問題となる主な検討課題を抽出し、各課題に対する今後の検討の方向性を探ってきたが、7年8月、報告が取りまとめられた。本報告における主な提言は次のア〜エのとおりである。
 ア 消費者取引の適正化
 電話による勧誘については、勧誘者の匿名性・覆面性等の電話というメディアの特性に着目するとともに、最近の自動電話発信システムや事前録音音声を使った勧誘等も考慮に入れて、今後、勧誘の時間制限等の総合的な対策について、立法的な対応を含めて検討していく必要がある。
 イ 消費者志向体制の確立
 消費者への情報提供の在り方については、消費者保護及び公正競争の確保の観点から、郵政省、(社)電気通信事業者協会等が中心となって、広告表示の方法、料金請求書の表示方法等に関してガイドラインを策定することを検討する必要がある。
 苦情処理・相談体制については、消費者関係機関及び電気通信事業者との連携強化、消費者団体との定期的な連絡会の創設、苦情処理手続の透明化等について検討する必要がある。
 ウ プライバシーの保護
 最近の状況の変化、諸外国の状況及びCD-ROM化の利点を考えると、今後、電話帳のCD-ROM化の実現に向けて検討することが必要であるが、加入者への同意等のプライバシー保護への配慮について更に検討する必要がある。
 発信電話番号通知サービスについては、8年度に実施予定の試験サービスの利用動向等も踏まえ、プライバシー保護の観点から、サービス内容及び通知された発信電話番号の二次利用問題について検討する必要がある。
 エ 公然性を有する通信への対応
 パソコン通信における電子掲示板等、不特定多数の相手方を対象とした「公然性を有する通信」において、虚偽情報、わいせつ情報等を掲載することについては、情報内容が社会的な影響力を有していることから、諸外国の状況も踏まえて、何らかのルール作りの必要性について検討することが求められる。

 

 

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