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第3章 情報通信が牽引する社会の変革―「世界情報通信革命」の幕開け―(2) 情報通信産業の我が国の経済成長への寄与ア 情報通信産業の経済成長への寄与 ここでは、情報通信産業の成長が我が国の経済成長にどの程度寄与しているかを、我が国の経済成長率(SNA1990年基準の実質GDP成長率)に対する寄与度及び寄与率で見てみる。SNA1990年基準のGDPデフレータを基に実質化を行い計測(注51)すると、その寄与度は、昭和60年から2年にかけては年平均経済成長率 4.6%に対し 0.6%であり、2年から6年にかけては年平均経済成長率 1.4%に対し 0.2%であった。これを寄与率(注52)で見ると、昭和60年から2年にかけては11.4%であり、我が国景気の後退期があった2年から6年にかけても12.0%であった。これから、情報通信産業が我が国の経済成長に大きく貢献していることがうかがえる(第3-2-46図参照)。イ 情報通信資本ストックの経済成長への寄与 ここでは、情報通信資本ストック(注53)が、生産力の向上を通じ我が国の経済成長にどの程度寄与しているかを分析する。そのため、郵政省郵政研究所において、我が国の実質GDPの生産関数(注54)を推計し、我が国経済成長の要因を情報通信資本ストック、情報通信資本ストック以外の民間企業設備資本ストック(注55)、知識ストック(注56)及び労働の各要因に分解して分析を行った。 ウ 産業の情報化の各産業の成長への寄与 産業の情報化が各産業の成長にどのように寄与しているかを経済学的に分析するため、産業の情報化を表す指標として、各産業が生産活動を行うのに際し、購入している財・サービス全体に対する情報通信産業からの購入の割合を、産業連関表を利用し「情報化傾注度」として指標化した(注58)。情報化傾注度を昭和60年、2年及び6年について推計すると、ほとんどの産業において情報化傾注度は上昇している。昭和60年から6年までの各産業の国内生産額の成長率と情報化傾注度の関係を見てみると、情報化傾注度の増加が大きい産業ほど、国内生産額の成長率も高いという相関関係が伺える(第3-2-48図参照)。 ![]() ![]() ![]()
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