平成8年版 通信白書

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第1章 平成7年情報通信の現況

(3)  障害者の情報通信の利用実態


 障害者が障害のない人と同等に生活し、活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下、障害者が積極的な社会参加を行うためには、情報通信は重要な手段のひとつとなっている。障害者が情報通信をどのように利用しているかを、郵政省郵政研究所が、 (社福) 盲人会、 (社福) 日身連、(財)聾唖連盟及び(社)全難聴(注25)の協力を得て行った、「身体障害者の情報通信システムの利用実態等に関する調査」(7年6月)(注26)により概観する。
 電話の利用について見ると、1日に1回でも電話を利用する人の割合(電話行動者率)においては、 (社福) 盲人会及び (社福) 日身連の回答者の電話行動者率が非特定に比べ発信、受信ともに多い。また、(財)聾唖連盟及び(社)全難聴の回答者についても、発声・聴覚という従来の電話の利用上不可欠な機能制約があるにもかかわらず、工夫をしながら電話を利用している(第1-3-26図参照)。
 また、テレビの平均視聴時間について見ると、 (社福) 日身連の回答者が最も多いが、 (社福) 盲人会の回答者についても非特定と大差ない視聴時間となっている(第1-3-27図参照)。
 さらに、ファクシミリの保有率について見ると、 (社福) 盲人会の回答者以外では、非特定の回答者の保有率を上回っており、特に、(財)聾唖連盟の回答者では96.0%、(社)全難聴の回答者でも77.6%もの保有率となっている。両者にとって、ファクシミリは必要度の高い通信手段となっていることが、このことから伺える(第1-3-28図参照)。
 一方、パソコンの保有率では (社福) 盲人会の回答者が最も大きく、非特定の約 1.5倍となっている。ワープロを含めた保有率では(財)聾唖連盟の回答者が最も大きい(第1-3-29図参照)。パソコン通信の利用実態について見ると、いずれの回答者の利用率も、非特定の利用率を上回っており、特に、(財)聾唖連盟では 8.1%と、非特定の3倍もの利用率となっている(第1-3-30図参照)。



第1-3-26図 電話行動者率(1日)

第1-3-27図 テレビ平均視聴時間(1日)

第1-3-28図 ファクシミリ保有率

第1-3-29図 パソコン等の保有率

第1-3-30図 パソコン通信の利用率

 

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