平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2)  WTOの動向

 WTOは、21世紀に向けた新たな世界貿易体制の確立のため、GATTの第8回目の多角的貿易交渉として実施されたウルグァイ・ラウンド交渉が終結し、WTO協定が締結されることとなったことに伴い、GATTの下での権限をより強化し、1995年1月から発足した国際機関である。
 WTO協定の附属書に含まれている協定の一つであるGATSは、国際的にサービスの貿易を規律する初の協定であり、通信分野については特に、公衆電気通信へのアクセス及び利用に関する規則を規定する電気通信附属書が作成されている。
 音声電話サービス等の「基本電気通信分野」については、基本的かつ重要なインフラであり、ウルグァイ・ラウンド交渉期限内に自由化約束を行うことが困難であるという認識を各国が有していたため、ウルグァイ・ラウンド交渉終了後も、1996年4月末を期限に、自由化に向けた交渉を継続し結論を得ることとされた。この基本電気通信交渉は、1994年5月に開始され、1996年3月末現在、51か国の参加を得て、2回のハイレベル交渉を含む14回の交渉がジュネーブにおいて行われている。我が国としては、基本電気通信分野の世界的な自由化に向け交渉の成功裡の終結を目指し、外資規制撤廃の提案及び競争促進的な規制の枠組みに関するモデル約束案の取りまとめ等、積極的に貢献している。

 

 

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