JavaScript対応ブラウザで表示してください。
今後の社会経済活動の高度化に伴い、高速通信の需要が増大し、ネットワークの高速化が必要とされる中で、広域性、同報性等の特長を有する衛星通信が大きな役割を担うものと考えられる。 そこで、郵政省では、7年2月から「高速衛星通信に関する調査研究会」を開催し、高速衛星通信の利活用方法、ネットワークの技術開発課題、高速衛星通信の実現方策等について検討を行ってきたが、7年6月、報告が取りまとめられた。その概要は次のア〜ウのとおりである。 ア 情報通信基盤における衛星の役割 広域性、同報性、回線設定の柔軟性・迅速性、耐災害性等の特長を有する衛星は、情報通信基盤において、[1]地上系との連携によるユニバーサル・サービスの確保、[2]地上系との連携による災害に強い情報通信基盤の構築、[3]同報性を活用した情報サービスの提供、[4]国境を越えたボーダレス・サービスの確保、[5]地上系の無線との連携によるシームレスな移動通信サービスの提供といった役割を果たすとともに、GIIやAIIの整備に当たって、重要な役割を果たすと考えられる。 このような観点から、加入者系光ファイバ網の整備計画及び衛星通信分野の技術開発を考慮し、17年ころまでに 1.2Gb/s 程度の衛星通信の能力向上を図ることを目標とするのが適当である。 イ 高速衛星通信の実現方策 高速衛星通信の実現のためには、[1]高速衛星通信テストベッドの構築等、産学官の協力による高速衛星通信の利活用方法の開発の推進、[2]諸外国との連携による高速衛星通信ネットワークの開発の推進、[3]超高速衛星通信基盤技術の研究開発の推進、[4]普及促進のための地球局の小型化・低価格化の推進が必要である。 ウ 長期的な目標の設定 長期的な目標としては、地上における人類の活動に加えて宇宙における人類の活動を支える情報通信基盤としての「スペース情報ハイウェイ」の構築が、今後の重要な課題になると考えられる。