平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(7)  地域振興のための電波利用

 電波は、有線系に比べ一般的に地勢に左右されず整備がしやすく、かつ、その通信システムは、耐災害性が高く復旧が容易である等の特徴を有しているので、情報通信基盤の整備が立ち遅れている地方においても活用できるメディアであると期待されている。このことから、郵政省では各地方電気通信監理局を中心に、昭和63年から電波を利用した地域社会の活性化及び地域住民の生活向上を図るため、「地域振興のための電波利用プロジェクト」を推進している。これにより、地域の要望に沿った各種の電波利用方策について調査研究を行い、これまでに様々なシステムが検討されてきたところであり、葉山町(神奈川県)のコミュニティ放送及び金沢市の観光地情報案内システム等が実用化されている(第2-4-8表参照)。
 このうち、長野県内で行われている「学校教育における電波利用の調査研究」をきっかけとして、8年2月から通信・放送機構による「遠隔医療診断等のための移動体衛星通信活用技術の研究」の研究開発プロジェクトが発足した。
 これは、山間部等の地域では、都市部に比べて医療機器、人材等の医療環境の立ち後れが指摘されていることから、医療分野をモデルケースとして、衛星通信等の高度な電波利用技術の開発を進め、通信システム及び利活用の早期充実を図ろうとするものである。具体的には、衛星通信回線を使用して松本リサーチセンター(長野県)と地域を巡回する移動検診車との間で高品質なX線診断画像データを伝送し、地域医療の向上に必要な通信システム及び利活用について5か年計画で研究開発を行うもので、8年3月、同リサーチセンターに研究開発に必要な施設の整備を行った。

第2-4-8表 「地域振興のための電波利用に関する調査研究会」の7年度の案件

遠隔医療診断のためのCT移動検診者

 

 

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