平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(3)  移動通信の普及促進

 ア FM多重無線呼出しの制度化・事業化
 FM多重無線呼出しは、FMラジオ放送の電波に無線呼出し信号を多重して送信するものである。このシステムのサービス提供に当たっては、少ない設備投資で済むだけでなく、新たな電波を送信しないことから、周波数の有効利用となるシステムであり、既にアメリカやヨーロッパでサービスが提供されている。
 郵政省は、7年10月、「無線設備規則」の一部を改正し、我が国においても、FM多重無線呼出しを導入できるようにした(第2-4-4図参照)。
 さらに、郵政省は、7年10月、FM放送事業者、無線呼出し事業者、メーカー等からのヒアリングを踏まえ、次のようなFM多重無線呼出しの事業化方針を定めた。
[1] FM多重無線呼出し事業を営もうとする者は、電気通信事業法の第一種電気通信事業者となることを要件とする。
[2] 事業を営もうとする者は、無線呼出し市場における競争促進の観点から、既に無線呼出し事業を営んでいる者以外の者とする。
[3] 事業の参入は、無線呼出しの利用形態及び公正競争条件の確保を考慮し、おおむね地域ブロック単位とする。
 イ 60GHz 帯ミリ波レーダーの制度化
 小電力ミリ波レーダーは、自動車の走行中の衝突防止等のために電波を用いて障害物を検知する小型レーダーシステムであり、衝突事故等の事前防止の一助となるシステムとして期待されている。郵政省は、7年10月、「電波法施行規則」等を改正し、60GHz 帯を使用した小電力ミリ波レーダーを導入できるようにした。
 ウ 高速双方向移動体データ通信システムの制度化
 高速双方向移動体データ通信システムは、これまでの文字情報伝送やファクシミリ通信等に加えて、カラー静止画伝送等の新しいサービスに対応できるシステムである。郵政省は、7年10月、「無線設備規則」を改正し、この高速双方向移動体データ通信システムを導入できるようにした。
 エ CATVを利用したPHSシステム標準化試験施設の整備
 8年3月、郵政省通信総合研究所の「ACTセンター」に、CATVをPHSシステムの伝送路として利用する技術(PHS/C(注27))の開発を促進し、PHS/Cシステムの標準化を進めるための実験施設が整備された。

第2-4-4図 FM多重無線呼出しのシステムイメージ図

FM多重無線呼出し端末

 

 

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