平成8年版 通信白書

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第2章 情報通信政策の動向

(2)  規制緩和の推進

 ア 料金届出制の実施
 「今後における規制緩和の推進等について」(6年7月閣議決定)の規制緩和策の一環として、7年10月、第一種電気通信事業者に係る料金のうち、利用者の利益に及ぼす影響が比較的少ないものについて、事前届出制を導入することを内容とする電気通信事業法の一部を改正する法律が施行された。これにより認可料金の数が半数程度に減少することとなった。
 さらに、携帯・自動車電話、PHS、無線呼出し等の移動通信の料金について、届出制とすることとなった。
(報道資料参照) 9/22付:電気通信事業法の一部を改正する法律の施行(料金届出制の実施)
 イ 音声系の専用線と公衆網との接続の早期実現
 「今後における規制緩和の推進等について」(6年7月閣議決定)の規制緩和策の一環として、7年4月より、国内における専用線の片側に公衆網を接続する、いわゆる「公-専」片端接続が可能となった。また、公専公接続の実施による完全な自由化については実施予定時期を前倒し8年中に行う予定である。
 ウ 国際VANサービスにおける基本音声サービスの提供
 「今後における規制緩和の推進等について」(6年7月閣議決定)の規制緩和策の一環として、7年4月より、国際VANサービスに関し、公衆網との接続のない形態での基本音声サービスの提供が可能となった。また、完全な自由化については実施予定時期を前倒し9年中に行う予定である。
 エ 国際専用回線と公衆網の接続制限の緩和
 「規制緩和推進計画について」(7年3月閣議決定)の具体的措置として、郵政省では、7年6月、国際専用回線と公衆網との接続制限の緩和を内容とする国際回線サービス契約約款等の一部変更について認可を行った。これにより7年7月から「ブレークアウト」(国際専用回線をその終端国において公衆網と接続して第三国と通信を行うこと)が可能となった(第2-4-1図参照)。
 オ 第一種電気通信事業の許可申請書の明確化等
 8年1月、電気通信役務の区分について、例えば、国内電気通信役務と国際電気通信役務の両方を申請することが可能であり、業務区分による規制は行われていない旨を明確にするとともに、事業者の負担を軽減するよう記載事項を簡素化するため、電気通信事業法施行規則の一部を改正し、様式第1等を改めた。また、「電気通信事業参入マニュアル」を作成・公表し、業務区分による規制がない旨を明記した。
 カ 第一種電気通信事業の業務委託の弾力化
 8年3月、第一種電気通信事業者が弾力的にネットワークを構築することを可能とするため、業務委託における受託者要件を緩和し、第一種電気通信事業者以外の者が受託することを弾力的に認めた。
 キ 消費者行政の推進
 電気通信分野における自由化の進展やサービスの多様化・高度化により、利用者のニーズに応じた使いやすいサービスの普及が期待されるが、一方、利用者と事業者の間では、情報量や知識等に大きな格差があるため、電気通信の料金・サービスに関して、利用者からの意見・要望、苦情・相談が増加することが予想される。そこで、苦情処理・相談体制の充実等、被害が生じた場合に消費者を救済できる制度を確立する必要がある。
 今後、郵政省としては、電気通信の料金・サービスに関し、消費者が行政に対し苦情申告等を行うことができる仕組みの制度化を図るため、検討を進めることとしている。

第2-4-1図 国際専用回線と公衆網の接続

 

 

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