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現在、船舶、航空機、自動車等の移動体の位置決定には、地上系あるいは衛星系の無線を利用した各種の測位システムが利用されている。 中でも、米国の全世界的測位システム(GPS)をはじめとする衛星を利用した測位システムは、広範囲にわたって簡便に高精度の位置情報を提供することができることから、陸上、海上及び航空分野の幅広い用途に利用されている(第2-2-8図参照)。 近年、我が国においては、カーナビゲーション、測量等の分野へのGPSの利用が拡大しており、それに伴い国民生活や社会経済活動への影響も大きくなってきている。 しかしながら、GPSは、米国の軍事衛星を利用したシステムであり、現在のところ、17年までしか利用が保証されていないことから、将来の我が国における民生利用に関し、測位情報の精度の信頼性及びシステムの利用の継続性について不確実性が大きい。 このため、郵政省では、7年10月から「将来の全世界的衛星測位システムの在り方に関する調査研究会」を開催し、現在の衛星測位システムの問題点と今後の世界の動向の把握、全世界的な衛星測位システムの将来像とその中での我が国の果たすべき役割等についての検討を行っている。