平成8年版 通信白書

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第1章 平成7年情報通信の現況

(4)  個別産業の動向


 通信業、放送業以外の個別産業について見ると、特に、ケーブルテレビ、衛星放送・衛星通信、文字放送等に投下された広告費は、他に比べ高い伸び(対前年比26.4%増)を示している。
 ア 情報ソフト・情報関連サービス
 (ア)  放送番組制作業及びケーブルテレビ番組供給業
 郵政省は、電気通信・放送に関連する産業のうち、放送ソフトの制作・供給にかかわる産業の実態・動向を把握し、適切な政策を推進するための基礎資料とするため、7年11月、放送番組制作業及びケーブルテレビ番組供給業を対象として「郵政省関連業実態調査」を実施したが、その結果が8年3月取りまとめられた。
 それによると、放送番組制作業については、資本金1億円未満の事業者が全体の96.7%、一事業者当たりの従業者数は約25人、年間売上高は5億円弱と、中小規模の事業者が多い。今後取り組みたいものとしては、「マルチメディア制作技術」(62.6%)、「CATVへの映像供給」(45.0%)との回答が多く、多メディア・多チャンネル化の進展の中、積極的な姿勢が見られる。
 また、ケーブルテレビ番組供給業については、資本金5億円以上の企業が52.2%を占めているが、一社当たりの番組供給業の年間売上高は4億円強で、その売上高が企業全体の売上高の50%以上を占める企業の割合は33.3%と専業度は低くなっている。今後取り組みたいものとしては、「マルチメディア技術」(50.0%)、「通信衛星を利用した放送(CS放送)」(41.0%)との回答が多くなっている。
 (イ)  新聞
 (社)日本新聞協会資料によると、同協会の会員である新聞社の発行する一般日刊紙の総発行部数は、7年10月現在 5,285万部(対前年同期比 0.5%増)であった。これは1世帯当たり1.19部が読まれていることになる。
 (ウ)  出版
 出版年鑑((株)出版ニュース社)によると、6年における書籍及び雑誌の推定実売金額は2兆 5,498 億円(対前年比 2.3%増)であった。これを書籍と雑誌の内訳で見ると、書籍の推定実売金額は1兆 3,397億円(推定発行冊数14億 4,854万冊)、雑誌が1兆 5,158億円(推定発行冊数は、月刊誌が28億 6,863万冊、週刊誌が21億 1,761万冊)であった。
 (エ)  広告
 「平成7年(1995年)日本の広告費」((株)電通)によると7年の総広告費は、5兆 4,263億円(対前年比 5.0%増)であった。これをメディア別に見ると、放送系の広告費では、テレビ広告費が1兆 7,553億円(同 6.8%増)、ラジオ広告費が 2,082億円(同 2.6%増)であった。また、ダイレクトメール広告費は 2,746億円(同 6.9%増)、電話帳広告費は 1,736億円(同 0.2%増)であった。また、ケーブルテレビ、衛星放送・衛星通信、文字放送等のニューメディアに投下された広告費は 158億円(同26.4%増)であり、額自体は大きなものではないが、高い伸びを示した。ここから、広告面において、ケーブルテレビや衛星放送が媒体として認知され始めたことが伺える。
 (オ)  映画館・劇場等
 7年の全国映画館の入場者数は、対前年比 3.3%増の1億 2,704万人((社)日本映画製作者連盟資料)であった。
 (カ)  情報記録物製造(映像ソフト)
 (社)日本ビデオ協会資料によると、同協会会員に対する調査で回答のあった会員(上期39社、下期38社)の集計では、7年のビデオカセットの個人向け販売本数は 2,568万本(対前年比29.9%増)、同レンタル店用販売本数は 1,154万本(同30.1%増)、ビデオディスクの個人向け販売枚数は 882万枚(同19.8%減)であった。
 イ 情報通信機器製造
 (ア)  有線電気通信機器・無線電気通信機器
 通商産業省の「生産動態統計調査」によると、7年の通信機械器具及び無線応用装置の生産額は、3兆 1,422億円(対前年比11.1%増)である。その内訳は、有線通信機器(注7)が1兆 8,273億円(同 5.2%増)、無線通信機器(衛星通信装置含む)が1兆 3,149億円(同20.5%増)であった。
 通信機械工業会資料によると、7年の通信機器の受注・出荷額は3兆 2,086億円(対前年比14.6 %増)であった。
 これを機種別の内訳でみると、有線通信機器が2兆 479億円(同 5.3%増)であり、無線通信装置が1兆 1,607億円(同41.2%増)であった。
 また、通信機器の需要先別でみると、NTTが1兆 852億円(同31.7%増)、KDDを含めたその他の第一種電気通信事業者は 3,821億円(同67.6%増)であった。
 (イ)  電子計算機・同付属装置
 通商産業省の「機械統計月報」によると、7年の電子計算機及び関連装置の生産額は5兆 2,363億円(対前年比 3.4%増)であった。
 (ウ)  通信ケーブル
 (社)日本電線工業会資料によると、7年の銅線ケーブル(通信用電線・ケーブル)の出荷額は 1,202億円(対前年比 3.0%減)であった。
 一方、通商産業省の「資源統計月報」によると、7年の電線・ケーブル用光ファイバ製品の生産量は 341万7千キロメートルコア(対前年比 9.9%増)であり、このうち光ファイバケーブル(通信複合ケーブルを含む。)の生産量は 321万キロメートルコア(同13.4%増)であった。


 

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