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平成8年版通信白書の公表に当たって郵政省は、我が国の情報通信の現況及び情報通信政策の動向について、広く国民の皆様方のご 理解をいただくため、毎年、通信白書を作成しておりますが、このたび、第24回目の白書を公表 いたしました。現在、情報通信の高度化は世界的潮荒となり、グローバルネットワークとしてのインターネッ トの急速な普及や、米国の1996年電気通信法の成立、アジア・太平洋地域における移動通信の本 格的導入など、企業間の活発な競争、業種を越えた提携が進展し、「世界情報通信革命」とも呼ぶ べき様々なダイナミックな展開・変革が起こっています。 我が国においても、昭和60年の日本電信電話公社の民営化、情報通信市場への競争原理の導入 をはじめとする「第1次情報通信改革」から10年余が経過しました。この間、競争促進による料 金の低廉化・サービスの多様化が進み、社会の各分野で情報通信の高度化が進展し、変革が起こ りつつあります。 産業・経済の分野においては、情報通信の高度化による新しいビジネス・スタイルが登場し、 小規模組織でもグローバルな事業展開が可能となってきています。また、現在の我が国の経済社 会構造の改革において、情報通信の高度化は、新たな産業や雇用を創出し、豊かで活力ある経済 社会の実現に寄与するものと期待されています。 国民生活の分野においては、情報通信の高度化により、テレワークによる在宅勤務が可能とな るなど、ライフスタイルの変化がもたらされようとしています。情報空間が新しい生活の場とな り、現実の物理的国土を越えて情報空間をも取り込んだ新しい国土概念が生まれつつあると言え ます。 一方、急速な技術革新、グローバル化等が進む中、一層の国民利用者の利益の増進と情報通信 産業の活性化のためには、競争促進が不可欠であり、郵政省におきましては、そのための「第2 次情報通信改革」として、規制緩和の推進等に取り組んでいます。 今回の白書においては、「情報通信が牽引する社会の変革-「世界情報通信革命」の幕開け-」 と題して、このような世界的変革の状況を紹介・分析しております。 国民の皆様方の一層のご理解をお願いする次第でございます。
平成8年6月
郵政大臣 日 野 市 朗
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