国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)は「令和6年能登半島地震に関する防災クロスビュー」を1月1日から公開した。SIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)などで共有された災害対応に必要な情報を集約し、統合的に発信している。クロスビュー上では、道路状況、生活支援箇所、NPO等の活動状況のほか、携帯電話事業者各社の通信の状況も一元的に提供されている。
今般の地震では、新聞各社が収集した写真・情報をマップと連動させて公開する取組が見られた。
1月1日、読売新聞社がウェブサイト「令和6年能登半島地震被災状況マップ」(初版)を公開。「記者が撮った被害」では、記者が撮影した被災地の写真と説明が3Dマップと連動し、撮影場所とともに確認できるうえ、「航空写真で分類した被害」では、1月2日に石川県の輪島市や珠洲市の沿岸部を中心に航空機から撮影された写真を基に、300か所以上の建物の損壊や土砂崩れ、火災などの被害が可視化されている。マップは1月8日まで随時更新され、地震発生後の最初の1週間の記録としてまとめられている。
民間企業やシビックテック等において情報収集・発信をする取組は新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降に広がりを見せており、今般の震災においても被災者のための情報の集約・発信の取組が見られた。一般社団法人コード・フォー・カナザワ(Code for Kanazawa)は、1月7日に市民による“ネットがつながる場所”の情報を地図にまとめた能登半島地震コネクトマップをオープンデータとして公開した。ネット接続環境改善に合わせて2月2日にデータの新規登録を停止した。
8 臼田裕一郎氏(防災科学技術研究所 総合防災情報センター/防災情報研究部門)資料「ISUTの取組について〜SIP4D、bosaiXview、ISUT-SITEを介した情報共有〜」