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特集② 進化するデジタルテクノロジーとの共生
第2節 活用の現状・新たな潮流

(1) 企業・公共団体等における生成AI導入動向

生成AIの導入を積極的に推進する企業等においては、AIのリスクや社会的影響を評価・検証しながら、活用を促進するための体制構築やルール整備等の取組を進めている。

ア NTTデータ

NTTデータは、2019年5月に「NTTデータグループAI指針」を策定、同社のAIガバナンスの在り方を検討するため2021年4月に社外の有識者からなる「AIアドバイザリーボード」を設置するなど、従来から公平かつ健全なAI活用による価値創造と持続的な社会の発展に向けた活動を実施してきたが、さらに、ビジネスに影響するAIの不適切な利用による事業リスクに適切に対処し、お客さまに安全なAIシステムの提供を実現するための組織として、AIガバナンス室を2023年4月に設置した1。同年7月からはNTTデータの国内事業でAIやデータ活用が関わる案件全てを対象に、チェックリストを使いリスク管理をする運用を始めた。

イ 横須賀市2

横須賀市は、庁内における取組として、2023年4月のChatGPTの全庁での活用実証から始め、職員の活用促進や正しい利用方法の発信のための「ChatGPT通信」創刊、職員向けの独自研修プログラム、職員を対象としたChatGPT活用コンテスト、外部からのアドバイスを受ける目的での「AI戦略アドバイザー」の設置等の取組を行っている3

また、庁内で培った知見やノウハウを他の自治体にも共有を行っており、2023年8月より取組内容に関する問合せに回答する他自治体向けの問合せボットの運用を開始、さらに同月、先行して生成AIを活用する自治体のノウハウや試行錯誤の過程を発信するポータルサイト「自治体AI活用マガジン」を立ち上げた。全国の自治体や企業向けに2日間にわたる研修プログラム「横須賀生成AI合宿」の開催も行った。

さらに、これらの知見を活かし、福祉の相談窓口で相談対応を行う職員向けの「AI相談パートナー」なども導入している。



1 NTTデータ,「AIのリスクマネジメント強化を目的とした「AIガバナンス室」の新設」2023年3月23日,<https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2023/032301/別ウィンドウで開きます>

2 自治体ヒアリング(横須賀市)に基づく。

3 デジタルクロス「横須賀市、日本初のChatGPT導入の知見を生かし行政のイノベーションを目指す」,2023年12月12日,<https://dcross.impress.co.jp/docs/column/column20230929/003503.html別ウィンドウで開きます>(2024/3/27参照)

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