世界のメタバース市場は、2022年の461億ドルから2030年には5,078億ドルまで拡大すると予測されている(図表Ⅱ-1-7-6)。内訳はメタバース内でのeコマースが最も大きく、次いでゲーム、ヘルス&フィットネスとなっている。市場を牽引するのは、主に消費者向けのメタバースサービスだと言える。ようやく立ち上がりつつある市場は、10年弱で約10倍にまで拡大すると見込まれており、5GやBeyond 5Gのユースケースの一つとして大きな成長の可能性を秘めている。
日本のメタバース市場(メタバースプラットフォーム、プラットフォーム以外(コンテンツ、インフラ)、メタバースサービスで利用されるXR(VR、AR、MR)機器の合計)は、2023年度に2,851億円(前年度比107%増)となる見込みで、2027年度には2兆円まで拡大すると予測されている(図表Ⅱ-1-7-7)。これまでのメタバースに対する熱狂的なブームは一段落し、地に足のついたビジネス展開が進むとみられる。市場という観点では、まず法人向け(展示会、研修、小売等)市場でメタバースを次世代プラットフォームとして活用する企業が増え、人材育成や関連機器・サービスの市場が形成され、その後消費者向けの市場が本格化すると見込まれる。
9 https://www.statista.com/outlook/amo/metaverse/worldwide