非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)は、移動通信ネットワークについて、地上に限定せず、海や空、宇宙に至るすべてを多層的につなげるHAPS(High Altitude Platform Station)、衛星通信などによって、通信インフラが整備されていない地域にもシームレスに通信サービスを提供することが可能となる。(図表Ⅱ-1-2-16)。
5Gのカバレッジ拡張としての活用も期待されており、5G NTNの市場規模は2023年の49億ドルから2026年には88億ドルに成長すると予測されている(図表Ⅱ-1-2-17)。
HAPSについては、携帯電話事業者等により、携帯電話基地局としての導入に向けて、無線機器や機体の開発等の準備が進められており、2026年に実用サービスを開始することが発表されている。
また、衛星通信については、多数の非静止衛星を一体的に運用する「衛星コンステレーション」による通信サービスの提供が欧米企業を中心に活発化しており、例えば、SpaceX社が提供する衛星通信サービス「Starlink」は、高速大容量の通信が可能であり利用者は全世界で300万人を超えている(2024年5月現在)。我が国の事業者は、これらの企業への出資や業務提携などによって、国内サービスを展開している。また、通信速度の高速化により、ブロードバンドサービスへの利用や携帯基地局のバックホールへの導入等が行われている。
【関連データ】「Starlink」の速度推移
出典:IIJ Engineers Blog(株式会社インターネットイニシアティブ)
URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/datashu.html#f00174(データ集)
19 https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2022/01/17_01.html
20 https://www.trendforce.com/presscenter/news/20230413-11642.html