今般の震災では、被災状況の把握、救助活動、物資輸送等にドローンやロボットが活用された。
NiX JAPAN とKDDIスマートドローンは、石川県羽咋市より要請を受け、1月17日にドローンを活用した橋梁の損傷状況等の緊急点検を実施した。ドローンを活用することで、狭小空間でも死角のない撮影ができ、支承、橋脚、橋台の部材の損傷状況を即時に確認することが可能となった。
また、ドローン業界団体である日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、1月4日に輪島市から要請を受け、ブルーイノベーションなど5社が協力して同市内でドローンによる捜索や被災状況確認、物資輸送等の初期災害時支援活動を実施した9。例えば、1月8日から、エアロネクスト、ACSL等の協力により、孤立地域内の避難所へドローンによる医薬品の配送を実施した。これらの取組を通じて、実際の災害現場における迅速な初動対応等に関し、ドローンの有用性が確認された。一方で、今後の迅速稼働に向けた課題として、緊急用務空域が指定された中でのドローン飛行許可の課題、天候・長時間飛行が困難等の機能の課題、操縦者不足等の人材の課題が挙げられた。
さらに、被災地では陸上自衛隊によりロボット犬が導入され、避難経路の偵察、被災者の二次避難所まで移送する際の誘導支援に活用された。
9 ブルーイノベーション他によるニュースリリース「令和6年能登半島地震におけるドローン関連5社の初期災害時支援活動について」
<https://www.blue-i.co.jp/news/release/pdf/20240208release_bi.pdf>