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特集② 進化するデジタルテクノロジーとの共生
第3章 デジタルテクノロジーの変遷

第3章 デジタルテクノロジーの変遷

技術の発展は、人間の能力を拡張し、できることを強化してきた。人間等の知的活動をコンピュータにより再現する人工知能(Artificial Intelligence:AI)は、70年以上の開発の歴史のなかで進化を続け、企業活動、国民生活に浸透しつつある。特に2022年頃から急速に普及した生成AIは、その進化の飛躍的な例と言える。生成AIは、人間のように文章や画像を生成し、多岐にわたるタスクを自律的にこなすことができる革新的な技術である。これにより、広告やマーケティング、コンテンツ制作をはじめ様々なビジネスにおいて大きな変革がもたらされている。我々の生活においても、自然言語による対話インターフェースがますます普及し、スマートスピーカーやチャットボットが私たちの日常に溶け込み、生活を大きく変えている。また、AIはXR(拡張現実)、ロボティクス等の他の技術・サービスと組み合わされることで、より一層の発展が期待されている。例えば、生成AIを用いたXR技術により、臨場感のある仮想空間を提供することで、教育やエンターテイメントの分野で新たな価値体験を生み出している。また、AIを搭載したロボットが、製造業から介護など様々な分野で活躍し、作業の自動化や人々の生活の支援に貢献している。

こうしたAI、XR等情報通信技術(ICT)・デジタルを利用したテクノロジー(以下「デジタルテクノロジー」という。)は、この先さらに私たちの社会・経済活動を変革していくと期待されている。一方で、こうした技術の進化には課題やリスクも伴う。生成AIの急速な進化は、同時にプライバシー侵害やデータの流出、偽・誤情報の流通・拡散といったリスクを生じさせ、世界的に規制・ルールの議論が進められている。生成AIはじめデジタルテクノロジーの可能性・リスクがこれまでになく注目されている今、課題・リスクに対処しながら、デジタルテクノロジーの開発・活用を進め、企業活動・国民生活といった社会全体の利益に資する取組が必要とされている。こうした認識のもと、令和6年版情報通信白書では、特集テーマとしてデジタルテクノロジーの変遷、現状と課題、今後の展望を概観した上で、デジタルテクノロジーと“共に生きていく”ために必要な取組を取り上げている。

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