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第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第3節 電波政策の動向

(4) 公共安全モバイルシステム(旧:公共安全LTE)

我が国の主な公共機関は、各々の業務に特化した無線システムを個別に整備、運用しているため、機関の枠組を超えた相互通信が容易ではない。また、そのシステムは割当可能な周波数や整備費用の制約などから、音声を中心としたものとなっている。

米国、英国などの諸外国では、消防、警察など公共安全業務を担う機関において、携帯電話で使用されている通信技術を利用し、音声のほか、画像・映像伝送などの高速データ通信を可能とする共同利用型の移動体通信ネットワークの導入が進められている。このような携帯電話技術を用いた公共安全(Public Safety)のためのネットワークは、テロや大災害時に、公共安全機関の相互の通信を確保し、より円滑な救助活動に資すると期待されており、また、世界的に標準化された技術を利用することから、機器の低コスト化が可能となるなどのメリットがあるとされている。

総務省では、2019年度(令和元年度)以降、関係機関と連携し、我が国で実現すべき公共安全のためのネットワークに求められる機能等について検討を実施し、実証を行ってきたところである。実証期間中に発生した令和6年能登半島地震においては、公共安全モバイルシステムの実証端末が被災地においても活用され、その有用性が確認された。

2024年(令和6年)4月には、一部の電気通信事業者が公共安全モバイルシステムに対応する通信サービスの提供を開始しており、今後、災害時等における公共安全機関の有効な情報共有手段のひとつとなることが期待される(図表Ⅱ-2-3-8)。

図表Ⅱ-2-3-8 公共安全モバイルシステムの主な機能
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