市場環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、国民生活の向上や経済活性化を図るため、総務省は2023年(令和5年)8月、情報通信審議会に対し、「市場環境の変化に対応した通信政策の在り方」を諮問した。同審議会の下に設置された通信政策特別委員会での議論を経て、2024年(令和6年)2月に取りまとめられた第一次答申では、これまでの議論が2つに整理され、研究に関する責務の見直しなど喫緊の課題である国際競争力の強化の観点から必要な事項は「速やかに実施すべき事項」として提言され、ユニバーサルサービス、公正競争、経済安全保障など、国民・利用者や電気通信事業者等に大きな影響を与え得る事項は「今後更に検討を深めていくべき事項」として整理された。総務省は、「速やかに実施すべき事項」と提言された内容を盛り込んだ「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律案」を同年3月に国会に提出し、同法律案は、同年4月に成立、施行された。第一次答申で「今後更に検討を深めていくべき事項」と提言されたものについては、情報通信審議会において引き続き検討が進められている。特に、電気通信事業分野におけるユニバーサルサービス、公正競争及び経済安全保障の確保の在り方については、ワーキンググループにおいて本年夏頃の取りまとめに向け、専門的な議論が行われているところである。