総務省トップ > 政策 > 白書 > 令和6年版 > データセンター、海底ケーブルなどの地方分散
第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
第2節 電気通信事業政策の動向

(2) データセンター、海底ケーブルなどの地方分散

インターネットの通信量の増加、DXの進展に伴うクラウドやAIの利用の進展等を背景とし、データセンターや海底ケーブルの需要は世界的に増加しており、これらのデジタルインフラは社会生活や経済活動を支えるものとして必要不可欠なものとなっている。我が国におけるデータセンターの立地状況を見ると、近年は大阪圏への投資が増加しているものの、6割程度が東京圏に集中しており、今後もこの状況が続くと見込まれている。海底ケーブルについては、国際海底ケーブルの終端である陸揚局が房総半島及びその周辺に集中するとともに、国内海底ケーブルについては日本海側がミッシングリンクとなっている。このような状況では、大震災等で東京圏・大阪圏が被災した場合に通信サービスに全国規模の影響が生じる可能性があり、我が国のデジタルインフラの強靱化の観点からは、データセンターの分散立地や日本海側の海底ケーブルの整備等を推進する必要がある。また、我が国は北米・欧州とアジア・太平洋地域の中継点に位置していることから、我が国への国際海底ケーブルの敷設を一層促進し、国際的なデータ流通のハブとしての地位を確立し、自律的なデジタルインフラを構築していくことも必要である。更に、我が国を取り巻く安全保障環境等の複雑化など昨今の国際情勢の変化等に鑑み、国際海底ケーブルや陸揚局の安全対策を強化することも必要である。

総務省においては、令和3年度補正予算事業として、データセンターや海底ケーブル等の整備を行う民間事業者を支援するための基金を造成し、東京圏以外に立地するデータセンターの整備事業に対する支援を行っている。また、令和5年度補正予算事業として、当該基金を増額し、国際海底ケーブルの分岐支線や分岐装置等を新たな支援対象として加え、国際海底ケーブルの多ルート化に取り組んでいるところである。

また、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」(令和4年3月策定、令和5年4月改訂)においては、(1)データセンターについては当面は東京・大阪を補完・代替する第3・第4の中核拠点の整備を促進するとともに、経済産業省等関係省庁と連携してデータセンター等の更なる分散立地の在り方や拠点整備等に必要な支援の検討を進めることとし、(2)海底ケーブルについては、現状ミッシングリンクとなっている日本海側の国内海底ケーブルの整備に取り組み、日本を周回する海底ケーブル(デジタル田園都市スーパーハイウェイ)を完成させるとともに、データセンターの分散立地に向けた取組と連動し、我が国の国際的なデータ流通のハブとしての機能強化に向けた海底ケーブル等の整備を促進することとしている。更に、国際海底ケーブルや陸揚局の安全対策の強化のため、国際海底ケーブルの断線等に備えた多ルート化の促進、国際海底ケーブルや陸揚局の防護、国際海底ケーブルの敷設・保守体制の強化に向けた取組を進めることとしている。

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る