総務省では、こどもたちが安心・安全にインターネットを利用するための取組として、児童・生徒、保護者・教職員等に対する学校等の現場での無料の出前講座である「e-ネットキャラバン」を開催するほか、インターネットに係るトラブル事例の予防法などをまとめた「インターネットトラブル事例集」を作成・公表している。また、フィルタリングを含むペアレンタルコントロール16による対応の推進に資する調査研究を実施している。
さらに、安心・安全なインターネット利用に関する啓発を目的としたサイト「上手にネットと付き合おう!〜安心・安全なインターネット利用ガイド〜17」を2021年(令和3年)に開設した。本サイトでは、未就学児・未就学児の保護者、青少年、保護者・教職員、シニアに向けたコンテンツを掲載し、各世代に応じた内容としている。また、「SNS等の誹謗中傷」、「インターネット上の海賊版対策」、「偽・誤情報」といった「旬」のトピックも特集として掲載し、リテラシー向上に取り組んでいる18。
また、総務省では、2011年度(平成23年度)に青少年のインターネット・リテラシーを可視化するテストとして「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS:Internet Literacy Assessment indicator for Students)」19を開発した。これは、特にインターネット上の危険・脅威に対応するための能力を測るためのものであり、違法情報リスク、不適切利用リスク、プライバシーリスクといった7つのリスクについてテストを実施している。2012年度(平成24年度)より毎年度、全国の高等学校1年生を対象に青少年のインターネット・リテラシーを測るテストを実施しており、2023年度(令和5年度)には75校、13,108名を対象に行ったところ、全体の正答率は71.4%となった。
16 保護者がこどものライフサイクルを見通して、その発達の程度に応じてインターネット利用を適切に管理すること。こどもの情報発信を契機とするトラブル防止の観点を含むものであり、管理の方法としては、技術的手段(フィルタリング、課金制限機能、時間管理機能等)と、非技術的手段(親子のルールづくり等)とに分かれる。(こども大綱(令和5年12月22日閣議決定)P50)
17 上手にネットと付き合おう!〜安心・安全なインターネット利用ガイド〜
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/
18 第Ⅱ部第2章第2節参照
19 https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/ilas/