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特集② 進化するデジタルテクノロジーとの共生
第2節 AIに関する各国の対応

(2) OECD/GPAI/UNESCOの動き

ア OECD

OECD、GPAI、UNESCO等、多くの国際機関もグローバルな観点からAIガバナンス制度の検討を進めている。2019年5月にOECDのAI原則が公開されて以降、各種OECDレポートの発表やプロジェクトの推進等、G7との連携の下、積極的な活動が行われている。また、OECD、GPAI、UNESCOの3機関は、2023年9月に「生成AI時代の信頼に関するグローバルチャレンジ(Global Challenge to Build Trust in the Age of Generative AI)」3を発表し、G7の包括枠組みを踏まえ、偽情報やディープフェイク等による社会的リスクに対し、イノベーティブな解決策を進めるグローバルな連携プロジェクトを推進している。

2024年5月に開催されたOECD閣僚理事会では、生成AIに関するサイドイベント「安全、安心で信頼できるAIに向けて:包摂的なグローバルAIガバナンスの促進」において、岸田総理大臣から49か国・地域の参加を得て広島AIプロセスの精神に賛同する国々の自発的な枠組みである「広島AIプロセス フレンズグループ」4を立ち上げることを発表した。

イ GPAI

「AIに関するグローバルパートナーシップ(Global Partnership on AI)」(以下「GPAI」という。)は、2020年、人間中心の考え方に立ち、「責任あるAI」の開発・利用を実現するために、OECDとG7の共同声明により創設された。同組織は、OECDが事務局を務め、価値観を共有する政府、国際機関、産業界、有識者等からなる官民国際連携組織で、現在29か国が参加している。GPAIには、「責任あるAI」、「データ・ガバナンス」、「仕事の未来」、「イノベーションと商業化」という4つの研究部会が設置されており、専門家による議論と実践的な調査が実施されている。

GPAIの年次サミットである「GPAIサミット2023」においては、新たなGPAI専門家支援センターである、GPAI東京専門家支援センターの立ち上げが承認された。同センターでは、生成AIに関する調査・分析等のプロジェクトを先行的に実施する予定となっている。

ウ UNESCO

国連教育科学文化機関(UNESCO)も、2021年にAIの倫理に関する勧告「UNESCO Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence」5を採択し、各国における取組を支援している。2023年9月には、教育・研究に関する初の生成AIのグローバルガイダンスである「教育・研究分野における生成AIのガイダンス(Guidance for generative AI in education and research)」6を公表し、生成AIの定義や説明、倫理的及び政策的な論点と教育分野への示唆、規制の検討に必要なステップ、カリキュラムデザインや学習等について紹介している。ほとんどの生成AIが主として大人向けに設計されていることから、教育現場での使用は13歳以上に制限すべきと提案し、各国政府には、データのプライバシー保護を含む適切な規制や教員研修等を求めている。



3 Global Challenge partners, “Global Challenge to Build Trust in the Age of Generative AI”,<https://globalchallenge.ai/別ウィンドウで開きます>(2024/3/21参照)

4 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2024/0502speech2.html別ウィンドウで開きます

5 UNESCO, “Recommendation on the Ethics of Artificial Intelligence”,<https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000381137別ウィンドウで開きます>(2024/3/13参照)

6 UNESCO, “Guidance for generative AI in education and research”,<https://www.unesco.org/en/articles/guidance-generative-ai-education-and-research別ウィンドウで開きます>(2024/3/13参照)

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