前節で振り返ったAIの進化は、他のテクノロジーにも影響を及ぼしている。特に第3次AIブームにおけるディープラーニング(深層学習)の発展はXRを用いた仮想空間サービス、サービスロボット、自動運転等の開発に寄与し、また、生成AIの登場によってよりそれらの高度化を支えている(図表Ⅰ-3-2-1)。
AIが実際のサービスにおいて果たす機能には、「識別」「予測」「実行」という大きく3種類があるとされる。それぞれの機能を利活用する場面は、製造や運送といったあらゆる産業分野に及びうる。例えば、車両の自動運転であれば、これは画像認識・音声認識・状況判断・経路分析など様々な機能を、運輸分野に適した形で組み合わせて実用化したものである1。ロボティクスにおいても、同様に複数の機能を組み合わせて実用化がなされている(図表Ⅰ-3-2-2)。
ここでは、生成AIを組み込むことでさらなる実用化が進んでいる仮想空間(メタバース・デジタルツイン)、ロボティクス、自動運転の動向について取り上げる。
1 総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究 報告書」2016年3月,<https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/h28_03_houkoku.pdf>