我が国は、少子高齢化による労働人口の減少や国内市場も縮小が見込まれるなど、厳しい経済環境である。また、災害の激甚・頻発化への対処や、50年以上経過する公共インフラの老朽化対応など、課題が山積している。
また、スマートフォンの普及等をはじめとして社会のデジタル化が進展し、ネットワークの高度化等も背景に、国民生活や経済活動における情報通信の果たす役割が増大していることもあり、デジタルは、地域社会の生産性や利便性を飛躍的に高め、産業や生活の質を大きく向上させ、地域の魅力を高める力を持っている。さらには、SNSや検索などのプラットフォーマーが提供するサービスは生活の利便性向上に貢献している。
一方、インターネット上で流通する情報には、誹謗中傷や偽・誤情報も含まれるといった問題も顕在化している。さらに、生成AIやメタバースといった新たな情報通信技術の登場により、デジタル空間が大きく変容している。
そして、政府としても「デジタル田園都市国家構想」の旗を掲げ、デジタルインフラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進することとしている。
こうした課題やデジタルの持つ力を踏まえると、地方が直面する社会課題の解決の切り札としてのデジタル実装を推進することにより、地域社会及び経済の活性化に貢献し、さらには偽・誤情報の流通や生成AIやメタバースの普及といった、デジタル空間の進展に伴う新たな課題に対して総合的な取組を推進することが重要である。
また、日本社会全体の活性化や我が国が抱える課題の解決に向けて、データ等を活用した様々なデジタルサービスの恩恵を誰もが享受できる社会の実現を推進するとともに、利用者が安全・安心に情報を利活用出来る環境の整備などを推進することが重要である。