ラジオ放送についても、放送設備の破損及び停電の影響により、テレビと同様に長期間の停波が発生した。発災当日には、石川県羽咋市において送信アンテナ柱破損によりNHK及びエフエム石川の羽咋FM局が停波し、約2万世帯に影響があったものの、仮設空中線設置により1月2日には復旧が報告されている。また石川県輪島市の一部の放送設備においては、非常用電源のバッテリー枯渇により停波が発生、北陸放送の輪島AM局(対象約1万4,000世帯)及び輪島FM補完局(対象約6,000世帯)、NHKの輪島町野FM局(対象約700世帯)に影響があった1213。
全ての局において停波が解消したことが報告されたのは、商用電源が回復した1月24日である(一部の局は非常用電源にてサービスを継続)。
その後、3月22日時点で、全ての局において復旧が完了している。
市区町村の全部又は一部の地域においてサービスを提供するコミュニティ放送については、石川県七尾市に拠点をおく「ラジオななお」において、地震直後の停電、また、同局の非常用電源の枯渇により停波を生じた(影響対象約2万3,000世帯)ものの、翌1月2日には放送を再開している。なお、「ラジオななお」は七尾市との間で防災協定を締結しており、同市は、緊急割込放送システムを用いて、ラジオ放送を通じた被災者向け生活支援情報の発信を行っている1415。
12 総務省,令和6年能登半島地震に係る被害状況等について(第1報〜第90報)(2024年1月1日〜3月22日)
13 「石川県の民放、NHK 能登半島地震で中継局が被災」,『映像新聞』2024年1月22日
14 総務省,令和6年能登半島地震に係る被害状況等について(第17報)(2024年1月4日)
15 「能登半島地震 地域メディアの状況は?〜石川県・七尾市「ラジオななお」〜【研究員の視点】#527」,『NHK文研ブログ』2024年2月22日,NHK放送文化研究所.
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