iPhoneが2007年に米国で発売されてから2017年で10年が経過した。スマートフォンは国内外ともに急速に普及してきており、この傾向は他の情報通信端末と比較するとより明確になる1(図表1-1-1-1)。
スマートフォンの特徴として、1人が1台持つ情報端末であることが挙げられる。通信利用動向調査を基に、個人のスマートフォンの保有率の推移2をみると、2011年に14.6%であったものが、2016年には56.8%と5年間で4倍に上昇している(図表1-1-1-2)。
スマートフォンの特徴の1つとして、それまでの携帯電話と比較して画面が大きく、多くの文字、画像や動画が見やすいことが挙げられる。これに伴う情報量の増加を移動通信のトラヒック(1加入者あたりの月間延べトラヒック)の推移を通してみると、2012年には542MBであったのが、2017年には2,886MBと5年間で約5倍に増加している(図表1-1-1-3)。
スマートフォンの普及やデータ流通の増加を支えているのが、移動通信の方式の進化である。現在主流であるLTEの我が国における契約数は、2012年には230万であったのが、2017年には1億219万と過去5年間で約44倍となっている(図表1-1-1-4)。
スマートフォンは、我が国や先進国のみならず、世界的に見ても爆発的に普及している。
世界のスマートフォンの出荷台数をみると、近年伸びは鈍化してきたものの、2011年から2014年にかけ急速に増加してきたことがわかる。
世界でスマートフォンが急速に普及してきたことは、フィーチャーフォンとの対比でも鮮明となる。
スマートフォンの関連サービスまで含めて考えると、新興国の方が、先進国と比較して従来からある財・サービスが相対的に少ない分、スマートフォンの特性を活用した財・サービスが一足飛びに普及していくことも想定される。
出荷台数というフローの指標に対して、ストックの指標でのスマホの普及を概観すべく、OS別インストールベース台数3の推移を取り上げる。2016年時点で、スマートフォンのOSインストールベース台数の推計値は39.6億台と、全世界の人口の過半数に達している(図表1-1-1-6)。
1 スマートフォンの特徴として、1人が1台持つ情報端末であることが挙げられ、世帯単位での保有よりも個人単位での保有に着目することが適切である場合も考えられるが、ここでは、他の情報通信機器との比較のため、世帯単位での保有率を掲載している。個人保有率は図表1-1-1-2参照。
2 2011年及び2012年の数値は、同調査のインターネット利用率及びインターネット利用機器利用率から推計
3 ストックとしてのスマートフォンの台数として、端末メーカーからのOS別出荷台数及び利用者が端末を買い換えるまでの年数等の情報を基に、IHS Technologyが独自に推計したもの。