総務省トップ > 政策 > 白書 > 29年版 > 生体電磁環境対策の推進
第2部 基本データと政策動向
第3節 電波政策の展開

3 電波利用環境の整備

(1)生体電磁環境対策の推進

総務省では、安全かつ安心して電波を利用できる環境を整備するための取組を推進している。電波の人体への影響に関しては、電波防護指針2をもとに、電波法令により電波の強さ等に関する安全基準を定めており、その内容は国際的なガイドラインとの同等性が担保されているとともに、電波の安全性に関する長年の調査結果3が反映されている。これまでの調査・研究では、この安全基準を下回るレベルの電波と健康への影響との因果関係は確認されていない。電波の利用がより身近になる中、今後も電波の安全性に関する科学的な検証を積み重ねるとともに、電波の安全性を分かりやすく情報提供する4ことが重要である。

また、5G等の先進的な無線システムの動向、最新の科学的知見や各国の動向等を踏まえ、電波防護指針や適合性評価方法に関して、新たな電波利用動向へ対応するための検討を行うため、総務省は、平成28年9月から「生体電磁環境に関する検討会 先進的な無線システムに関するワーキンググループ」を開催している。

医療機器への影響について、総務省は「電波の医療機器等への影響に関する調査5」を毎年度行い、その調査結果を受けて、必要な注意事項等を「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」に反映させている。平成28年11月、920MHz帯を使用したRFID機器から発射する電波が植込み型心臓ペースメーカ及び植え込み型除細動器へ与える影響に関する調査や、携帯電話端末が着用型自動除細動器へ与える影響に関する調査の結果を反映した指針の改訂が行われた。

さらに、医療機関における適正な電波環境の確保について、医療機関における電波利用の拡大に伴い無線利用に関するトラブルが増加していることから(図表7-3-3-1)、電波環境協議会6に「医療機関における電波利用推進部会」が設置された。同部会の検討結果に基づき、平成28年4月「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」及び報告書が公表された7。今後は、手引きの周知をより徹底させるため地域での取組を強化するとともに、手引きに基づく電波環境改善に向けた実績の蓄積や、医療現場の実態に応じた調査等の実施が求められる。

図表7-3-3-1 医療機関における電波利用の現状


2 電波防護指針:http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/medical/protect/別ウィンドウで開きます

3 総務省における電波の安全性に関する研究:http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/seitai/index.htm別ウィンドウで開きます

4 具体的には、説明会の開催やナビダイヤルの設置、パンフレット作成等を実施:http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/index.htm別ウィンドウで開きます

5 電波の植込み型医療機器等への影響の調査研究:http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/seitai/chis/index.htm別ウィンドウで開きます

6 電波環境協議会:http://www.emcc-info.net/別ウィンドウで開きます

7 電波環境協議会からのお知らせ(平成28年4月4日):http://www.emcc-info.net/info/info280404.html別ウィンドウで開きます
総務省報道資料(平成28年4月4日):http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban16_02000123.html別ウィンドウで開きます

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る