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第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第2節 熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査結果

(2)ライフライン等の被害状況

熊本地震は局地的に大きな揺れが発生したことから、その被害は震源に近い熊本県に集中した。2017年4月13日18時時点での人的被害については、熊本県内で死者225人、重傷1,130人、軽傷1,552人となっているのに対し、大分県で死者3人、福岡県、佐賀県、大分県、宮崎県で重傷が19人、軽傷が52人となっている。

住宅被害は、熊本県内で全壊8,688棟、半壊33,809棟、一部損壊が147,563棟となっており、熊本県外で比較的被害の大きかった大分県、福岡県をはじめとする近隣の6県において全壊9棟、半壊228棟、一部損壊が8,339棟であった(図表5-2-1-1)。

図表5-2-1-1 熊本地震における人的被害・建物被害
非常災害対策本部「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について」(平成29年4月13日18時00分現在)により作成

この地震の影響により、ライフラインについても被害が発生した。電力については、4月16日2時時点で最大47万7,000戸が停電したが、4日後の4月20日には、がけ崩れや道路の損壊等により復旧が困難な箇所を除き、概ね送電が完了した。大規模な土砂崩れによる影響を受けた阿蘇市、高森町、南阿蘇村では電源車により電気が供給されていたが、28日には本格復旧が行われた。

ガスについても早期復旧が行われた。都市ガスについては、一時最大10万1,000戸への供給が停止していた。4月30日には家屋倒壊等により供給が再開できない住家を除き全ての需要家に供給を再開した。また、簡易ガスについては4月28日中に、LPガスについては4月25日に被災地域におけるLPガス消費者戸数約50万戸に対する安全点検及び設備補修等が完了した。

水道についても漏水による断水が発生し、熊本市では年4月30日、益城町では5月12日、宇城市では4月26日、西原村では5月25日にまで断水していた地域が存在した。また、大雨による断水が発生した南阿蘇村では施設の損壊等による断水が発生し、一部地域では7月28日まで断水が続いた。

東日本大震災と熊本地震の被害状況を比較したもの図表5-2-1-2である。

図表5-2-1-2 東日本大震災と熊本地震の特徴の比較
(出典)総務省「熊本地震におけるICT利活用に関する調査」(平成28年)

ピーク時の避難者数については東日本大震災が約47万人であったのに対し、熊本地震ではその約1/3にあたる18万人であった。また、建物被害についても、東日本大震災では全壊半壊棟数が約40万棟であったのに対し、熊本地震では約4万棟と1/10の規模になっている。また、ライフラインの復旧状況についても、東日本大震災の際には復旧に数か月を要したが、熊本地震では一部の地域を除き電気、水道、ガスともに数日から数週間程度で復旧しており、ライフラインへの影響は一部を除き最小限にとどめられた。

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