総務省トップ > 政策 > 白書 > 29年版 > 企業へのデータ提供に対する認識とサービスの利便性
第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第2節 データ流通・利活用における課題

(2)企業へのデータ提供に対する認識とサービスの利便性

ア 提供と利活用

パーソナルテータの提供に関する認識(企業へ提供していること/企業が当該情報を利活用していること)は、欧米諸国とアジア諸国の2つのグループに分かれ、前者の方が相対的に認識が高い。「それでも利用を続ける」人は、欧米諸国と日本においてその割合が半数以上となった。日本はパーソナルデータの提供に関する認識は低いが、パーソナルデータの利用を許容する傾向にある(図表2-2-4-6図表2-2-4-7)。

図表2-2-4-6 企業へパーソナルデータを提供していることや企業が利活用していることの認識
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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図表2-2-4-7 企業がパーソナルデータを利活用していることのサービス・アプリ利用への影響
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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イ 提供の考え方

消費者がパーソナルデータの提供をどこまで許容するか、といったデータの提供に関する考えについて、我が国の消費者について確認する。提供先を公共利用目的及び商業利用目的に分けてみると、いずれも、「提供してもよい」あるいは「条件によっては提供してもよい」の回答割合は半数以上であり、また公共利用の方が商業利用と比べて高い。しかしながら、それぞれ3割〜4割の消費者がパーソナルデータの提供について消極的である点に課題があるといえる。また「条件によっては提供してもよい」という点についても、データ流通や提供条件等の透明化・明確化の必要性もうかがえる(図表2-2-4-8)。

図表2-2-4-8 我が国消費者のパーソナルデータの提供に関する考え(提供先=左図:公共利用目的、右図:商業目的)
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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図表2-2-4-8について、国際比較を行う。ここでは、同図において「どんな場合でも提供したくない」を除いた割合、すなわち潜在的にはデータを提供しうる人の割合(潜在的な許容度)を横軸に、またそのうち「提供してもよい」と回答した人の割合を算出した値(顕在的な許容度)を縦軸にプロットした。これらを公共目的及び商業目的にわけてみると、公共/商業ともに、日本の消費者は潜在的な提供許容度は平均的である一方、顕在的な提供許容度が低い傾向がみられる。つまり、「条件によっては提供してもよい」という人が非常に多いということである。他国の消費者の傾向をみると、中国・韓国の消費者は公共目的へのデータの提供については許容する傾向がみられる(図表2-2-4-9図表2-2-4-10)。

図表2-2-4-9 パーソナルデータの提供に関する考え
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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図表2-2-4-10 パーソナルデータの提供に関する考え(利用目的別)
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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データ提供の許容について、具体的な目的別にみてみると、各国消費者の回答率の順列の傾向は類似している。日本の消費者は、「大規模災害等緊急時、防災」に対するデータ提供の許容が他の目的と比べて最も高いものの、他国と比べると低い。また、全般的に、日本の回答率の傾向はドイツやイギリスの消費者と類似する傾向がみられる。

ウ 提供と利便性

パーソナルデータ提供を判断する上で、データを提供することで享受するサービスやアプリケーションの利便性・有益性についてどの程度重視するかみてみる。全体的には、60%以上が重視する傾向だが、我が国利用者の当該重視度は相対的に低い(図表2-2-4-11)。

図表2-2-4-11 パーソナルデータ提供時のサービスやアプリケーションの利便性・有益性の重視度
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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パーソナルデータを利用した関連サービス・アプリケーションに対する利用意向と、そのようなサービス・アプリケーションに対するパーソナルデータの提供や支出意向は概ね相関する。このように、サービス・アプリケーションが充実し、パーソナルデータの提供による消費者への還元が進むと、パーソナルデータの提供に対する許容度が高くなる。これらの指標については、日・英・独と米・中・韓の2グループに分かれる。特に中国の消費者はサービスやアプリケーションの利用意向と、パーソナルデータの提供の許容度がともに高い(図表2-2-4-12)。

図表2-2-4-12 パーソナルデータを利用したサービス・アプリケーションの利用意向等
(出典)総務省「安心・安全なデータ流通・利活用に関する調査研究」(平成29年)
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