総務省トップ > 政策 > 白書 > 29年版 > 災害時の非常用通信手段の確保
第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第5節 防災分野における情報化の推進

(5)災害時の非常用通信手段の確保

東日本大震災の教訓を踏まえて、電気通信サービスの途絶・輻輳対策等が行われているが、災害医療・救護活動のための非常用通信については、地域防災計画等において具体的な記載に乏しく、発災時に必要な通信手段が量・質共に確保されているとは言いがたい。これを踏まえ、総務省は、2015年11月から2016年6月にかけて「大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会」を開催した。同研究会の提言には、配備計画の策定や調達時の指針となる「災害医療・救護活動において確保されるべき非常用通信手段に関するガイドライン」が含まれており、ICTによる災害医療・救護活動の強化に向けて広く活用されることが期待される。

また、災害時等に公衆通信網による電気通信サービスが利用困難となるような状況等に備え、総務省が研究開発したICTユニット(アタッシュケース型)を2016年度から総合通信局等に順次配備し、地方公共団体等の防災関係機関からの要請に応じて貸し出し、必要な通信手段の確保を支援する体制を整えている。さらに、2017年5月には国際電気通信連合(ITU)は世界各地において災害が生じた際に被災地に提供する緊急通信手段としてICTユニット(アタッシュケース型)の導入を決定した。ITUはこれまで主に衛星通信システム(電話及びデータ伝送用)の提供を行っており、今後は衛星通信システムとともにICTユニットが世界各地の災害支援に活用されることが期待される3

このほか、総務省が中心となり、国、自治体、主要な電気通信事業者、無線局の免許人等の約2,000機関によって構成されている非常通信協議会では、1951年の設立以降、災害時における円滑な通信を確保するための活動として、非常通信計画の策定、通信訓練の実施、その他の非常通信に関する周知・啓発に取り組んでいる。2016年11月には、国のほか、全国47都道府県、133市町村等が参加する全国非常通信訓練を実施した。

図表5-5-4-2 ICTユニットの概要


3 総務省「国際電気通信連合、総務省との協力により、災害時緊急通信システムとして移動式ICTユニットを導入決定」(2017年5月26日)http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin06_02000099.html別ウィンドウで開きます

テキスト形式のファイルはこちら

ページトップへ戻る