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第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第2節 熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査結果

(3)規模による意識・取組格差への対応

前述のとおり、東日本大震災等の災害の教訓から、被災地域の内外を問わず、業務継続に対する意識の高まりがみられ、具体的に業務継続の策定や検討が進められている。一方で、「平成24年(2012年)版情報通信白書」でも指摘されているとおり、意識と具体的取組の両面で規模による格差が生じていた。

熊本地震においては、業務継続に対する意識は高まっているものの、費用負担が生じる具体的な取組については規模による格差がみられる。特に、熊本県内外問わず複数拠点を持つ企業と、一拠点のみの企業を比較するとその傾向が確認できる。マニュアルの策定状況を比較すると、拠点の有無を問わず約9割の企業で策定されており、意識の高まりがうかがえる(図表5-2-3-7)。

図表5-2-3-7 規模によるマニュアルの策定状況の比較
(出典)総務省「熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査」(平成28年)
「図表5-2-3-7 規模によるマニュアルの策定状況の比較」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

一方、基幹/業務システムの冗長化、ネットワークの冗長化については、ネットワークの冗長化は拠点の状況にかかわらず半数の企業で実施されているのに対し、システムの冗長化の実施状況は一拠点のみの企業ではあまり進んでいない。また、データバックアップは全ての企業で実施されているものの、複数拠点をもつ企業ではクラウドの利用が進んでいるのに対し、一拠点のみの企業では、複数の媒体にデータをコピーするなど同一拠点内でのデータ保存が行われている(図表5-2-3-8)。さらに、今後の業務継続に対する取組についても、一拠点のみの比較的小規模な企業ではコストに対する懸念を挙げる声が多く、費用負担が生じる具体的な取組が十分に行われていない状況が想定される。

図表5-2-3-8 企業規模別の基幹/業務システムの冗長化、ネットワークの冗長化の状況
(出典)総務省「熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査」(平成28年)
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