総務省トップ > 政策 > 白書 > 29年版 > 分野別のICT利活用状況
第2部 基本データと政策動向
第3節 地域におけるICT利活用の進展状況

(2)分野別のICT利活用状況

アンケートでは、医療・介護、福祉、教育等の行政分野ごとに、2016年度にICTシステムを利活用した具体的な事業を自治体又はその関連団体が運営しているか、あるいは何らかの形で運営に参加・協力5しているかを尋ねた。また、各事業を運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体に対しては、当初想定していた成果の有無についても尋ねた6

ア 防災分野

防災分野では、「防災メール」が8割近い実施率となり、「カメラ・センサー等による防災情報収集」も5割を超えた(図表6-3-1-5)。経年でみると、各事業の実施率は約2割から8割と差異が見られるものの全ての事業で実施率が上昇しており、防災分野でのICT利活用が進んでいることがわかる。

図表6-3-1-5 防災分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についてもほぼすべての自治体が一定の成果を得られていると回答している。

イ 教育分野

教育分野では、「電子黒板・デジタル教科書」が7割を超える実施率となり、「校務支援」も3割を超えた(図表6-3-1-6)。経年でみると、「電子黒板・デジタル教科書」と「学校間の遠隔教育」で増加が見られる7

図表6-3-1-6 教育分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても9割強の自治体が一定の成果を得られていると回答し、「学校間の遠隔教育」では所定の成果が上がっているという自治体の割合が増加した。

ウ 防犯分野

防犯分野では、「防犯メール」が6割を超える実施率となり、「防犯マップ共有」は実施予定を合わせると2割を超えた(図表6-3-1-7)。経年でみると、大きな変化はないが「防犯マップ共有」の実施率がやや増加した8

図表6-3-1-7 防犯分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についてもほぼすべての自治体が一定の成果を得られていると回答している。

エ 観光分野

観光分野では、「有力サイト等を活用した他地域等での観光情報提供」が5割を超える実施率となった(図表6-3-1-8)。実施予定では「多機能端末等を用いた観光情報生成・提供」が2割を超えた。経年でみると、「有力サイト等を活用した他地域等での観光情報提供」の実施率が大きく増加しており、半数を超える自治体がICTを活用して観光客を呼び込む取組をおこなっていることがわかる。

図表6-3-1-8 観光分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても8割強の自治体が一定の成果を得られていると回答している。

オ 福祉分野

福祉分野では、「子育て支援情報提供」が3割の実施率となり、「見守り・安否確認」と「要支援者情報共有」は15%を上回っている(図表6-3-1-9)。経年でみると、「子育て支援情報提供」や「見守り・安否確認」が増加傾向にある9

図表6-3-1-9 福祉分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業においても9割強の自治体が一定の成果を得ていると回答している。

カ 地域コミュニティ分野

地域コミュニティ分野では、「地域でのSNS、BBS等の活用」が3割を超える実施率となり最も高く、「地域人材・施設情報検索サービス」も2割を超えた(図表6-3-1-10)。経年でみると、2年前よりいずれの事業でも実施率が増加しており、地域コミュニティを活性化するためにICTの利活用が進んでいることがうかがえる。当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても9割以上の自治体が一定の成果を得られていると回答している。

図表6-3-1-10 地域コミュニティ分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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キ 農林水産業振興分野

農林水産業振興分野では、「インターネット直販」が3割近い実施率となり最も高く、「トレーサビリティ」、「POSデータ配信」についても15%を超えた(図表6-3-1-11)。経年でみると、「インターネット直販」、「鳥獣被害対策」が増加した。また、今後の実施予定では「森林管理」、「鳥獣被害対策」が10%前後となり、今後活用地域が広がっていくことが期待される10

図表6-3-1-11 農林水産業振興分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても8割強の自治体が一定の成果を得られていると回答している。

ク 交通分野

交通分野では、「オンデマンド交通」が3割近い実施率となり、実施予定とともに最も多くなった(図表6-3-1-12)。経年でみると、「リアルタイム交通情報システム、又はバスロケーションシステム」が最も増加し、運行情報の提供による利便性向上への取組が広がりつつある11

図表6-3-1-12 交通分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても9割超の自治体が一定の成果を得たと回答している。

ケ 医療・介護分野

医療・介護分野では、「電子カルテ連携」の実施率が最も高く、「放射線画像診断・遠隔診断」、「コメディカル地域情報連携」、「遠隔ミーティング(医師用)」も10%を超える実施率となった(図表6-3-1-13)。経年でみると「コメディカル地域情報連携」が大きく増加した。また、今後の実施予定でも「コメディカル地域情報連携」が最も多くなり、ICTを活用した情報連携がおこなわれ、きめ細やかな医療・介護サービスの実現が期待される12

図表6-3-1-13 医療・介護分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても8割超の自治体が一定の成果を得たと回答している。

コ 産業振興分野

産業振興分野では、「インターネット直販」と「電子調達システム」が2割近い実施率となった(図表6-3-1-14)。経年でみると、「電子調達システム」でより大きな増加が見られた13

図表6-3-1-14 産業振興分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、いずれの事業についても8割強の自治体が一定の成果を得られていると回答しており、所定の成果が上がっているという自治体の割合が増加した。

サ 就労・人材分野

就労・人材分野では、「就労・人材獲得支援」が2割を超え最も高い実施率となった(図表6-3-1-15)。経年でみると、同事業は2年前と比べて5ポイント以上増加が見られる14

図表6-3-1-15 就労・人材分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、9割超の自治体が一定の成果を得られていると回答している。

シ 環境・エネルギー分野

環境・エネルギー分野では、「環境・エネルギー管理システム(HEMS、BEMS、FEMS、CEMS等)」がおよそ15%と最も高い実施率となった(図表6-3-1-16)。実施率は2年間で5%程度伸びており、徐々にICT利活用が進んでいくことが期待される15

図表6-3-1-16 環境・エネルギー分野におけるICT利活用状況と成果
(出典)総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」(平成29年)
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当初想定していた成果の有無については、9割強の自治体が成果を得られていると回答している。

ス インフラ分野

インフラ分野では、「インフラの損傷・劣化把握のための有人巡視点検の支援(実施率7.1%、実施予定8.5%)」、「カメラ・センサー等によるインフラの損傷・劣化の把握(実施率7.1%、実施予定5.3%)」、「センサー等によるインフラ制御・自動化(実施率7.1%、実施予定3.0%)」、「モバイル・ソーシャルメディアの活用(実施率2.6%、実施予定7.2%)」、「無人機を活用したインフラの損傷・劣化の把握(実施率2.2%、実施予定6.7%)」、「需要シミュレーションシステム(実施率0.5%、実施予定2.4%)」となり、いずれも1割未満となった。「モバイル・ソーシャルメディアの活用」、「無人機を活用したインフラの損傷・劣化の把握」は実施率が低いものの、今後の実施予定は7%前後となっており、今後ICTを活用したインフラ点検の効率化が期待される。



5 各種の補助・助成、共催・提携・後援、各種便宜供与、企画・助言、仲介・調整・広報等の支援・協力など

6 運営、または何らかの形で参加・協力していると回答した自治体数が100以上の事業のみ図表に結果を掲載している。また、2012年度は成果の有無について尋ねていないため掲載しない。

7 その他では「e-ラーニングによるICTリテラシー向上(実施率2.7%、実施予定4.3%)」、「e-ラーニング等による生涯学習支援(実施率2.4%、実施予定3.7%)」となった。

8 その他では「児童・生徒見守り(実施率4.5%、実施予定5.7%)」となった。

9 その他では「生活支援システム(実施率3.4%、実施予定6.6%)」、「電子母子手帳(実施率3.1%、実施予定12.9%)」となった。

10 その他では「圃場管理(実施率7.3%、実施予定6.6%)」、「漁場管理(実施率4.4%、実施予定1.7%)」、「地域共同システム(実施率2.9%、実施予定2.4%)」となった。

11 その他では「ITS、カーシェアリング・自転車・公共交通利用促進(実施率8.9%、実施予定7.9%)」となった。

12 その他では「訪問看護支援[センター・医師−訪問看護師(療養者宅)](実施率8.6%、実施予定7.7%)」、「遠隔救急医療(実施率7.3%、実施予定4.2%)」、「在宅介護支援[センター−介護者(介護者宅)](実施率5.8%、実施予定8.1%)」、「健康増進事業(実施率5.8%、実施予定7.2%)」、「在宅遠隔診断[医師−患者・療養者](実施率2.1%、実施予定4.9%)」となった。

13 その他では「POSデータ配信(実施率4.7%、実施予定2.8%)」、「トレーサビリティ(実施率4.7%、実施予定2.5%)」、「地域共同システム(実施率2.7%、実施予定2.6%)」となった。

14 その他では「地域SOHO型在宅勤務・テレワーク(実施率5.5%、実施予定8.3%)」、「ICTによる障がい者雇用促進事業(実施率1.6%、実施予定3.4%)」となった。

15 その他では「再生可能エネルギー制御システム(実施率9.0%、実施予定3.5%)」、「EV充電設備ネットワークシステム(実施率4.3%、実施予定2.7%)」、「廃熱利用システム(実施率3.6%、実施予定3.8%)」、「データセンターの省エネ化(実施率0.9%、実施予定1.8%)」、「変動料金・ポイントシステム(実施率0.5%、実施予定1.9%)」、「サプライチェーンの最適化システム(実施率0.4%、実施予定1.4%)」となった。

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