総務省トップ > 政策 > 白書 > 29年版 > 通信・放送インフラの強靭化による安心・安全の実現
第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第4節 熊本地震の教訓とICT

1 被災地域における情報伝達・情報共有とICTの役割

(1)通信・放送インフラの強靭化による安心・安全の実現

東日本大震災においては、地震や津波により、基地局の倒壊や伝送路断及び商用電源の停電を原因とする停波が多数発生した。この経験を踏まえ、通信・放送インフラは国民生活や産業経済活動にとって欠かせない基盤であり、国民の生命・財産の安全や国家機能の維持に不可欠なものであることから、通信・放送事業者等を中心として災害に強いICTインフラの構築に向けた取組が進められてきた。具体的には、複数ルート化、予備バッテリーの設置等の対策や停波後に備えた隣接局によるカバーや移動基地局車、可搬型発電機の配備等が進められた。これらの取組が奏功し、熊本地震においては通信の疎通に支障を来した時間は限定的であった。これにより、固定通信、スマートフォンや携帯電話、インターネット、テレビ、ラジオなどのあらゆる手段を活用した情報伝達を行うことが可能になり、多様な手段を活用した情報発信が可能になった。これは東日本大震災等に比較して災害の規模が小さく、局地的であったことを考慮しても、阪神・淡路大震災以降引き継がれてきた災害時における情報通信の在り方に対する教訓が生かされたということができる。今後も引き続き対策を進めていくとともに、首都圏等で同規模の災害が発生した場合や大規模停電が発生した場合への備えが求められる(図表5-4-1-1)。

図表5-4-1-1 過去の災害との特徴とICTの活用状況の比較1
(出典)総務省「熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査」(平成28年)


1 東日本大震災の死者・行方不明者数は2017年3月時点のもの。緊急災害対策本部(H29.3.8)「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について」(参考)http://www.bousai.go.jp/2011daishinsai/pdf/torimatome20170308.pdfPDF

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