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第2部 基本データと政策動向
第5節 ICT利活用の推進

2 情報通信基盤を活用した地域振興等

(1)無料公衆無線LAN環境の整備促進

スマートフォンやタブレット等の無線LANを搭載した携帯端末の普及を背景として、無線LANを利用する機会が増えてきており、無線LANは、家庭、オフィス及び公衆スポット等における快適なワイヤレスブロードバンド環境の実現のために必要不可欠な存在となっているが、防災拠点等を中心とした公衆スポット等では、Wi-Fi環境の整備が十分に進んでいない。また、公衆無線LANは、2020年東京大会に向けて増加が予想される訪日外国人観光客からのWi-Fi環境に対するニーズが高いこと、災害時に電話回線が輻輳のために利用できない場合でも効果的に情報を受発信できる通信手段として有効であることといった側面がある。

これらを踏まえ、総務省では、Wi-Fi環境の整備について、地方公共団体に対する調査結果を踏まえ、整備箇所数や時期を示す「整備計画」に基づき整備を実施することで、災害時の必要な情報伝達手段を確保するため、平成28年12月、「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」を策定した。なお、平時においては、観光関連情報の収集、教育での活用等により利便性の向上を図ることとしている。

この「整備計画」の目標達成に向け、普通地方公共団体及び第三セクターによる整備を後押しするために、総務省では平成29年度に「公衆無線LAN環境整備支援事業」を実施しており、災害発生時に地域住民や来訪者への災害情報の収集等に寄与する公衆無線LAN環境の整備を推進している(図表7-5-2-1)。

図表7-5-2-1 「公衆無線LAN環境整備支援事業」の概要

訪日外国人がより円滑に無料公衆無線LANサービスを利用できる環境の実現に関しては、平成28年2月に総務省が策定した、利用開始手続の簡素化・一元化の推進に関する取組方針3に基づき、認証連携の実現に向けた実証実験を実施した。実証実験の成果を踏まえて、同年9月に「一般社団法人公衆無線LAN認証管理機構4」が設立され、同機構が実用化した認証方式を利用したサービスが同年10月に開始されている。

また、無線LAN機能を搭載したモバイル端末の飛躍的な増加とともに、公衆無線LANサービスを提供する事業者のほか、携帯電話事業者や一般の店舗、商店街、地方公共団体が公衆無線LANを利用できる環境の整備に積極的に取り組むなど、無線LANの利用機会の増加とサービスの拡大が進展している。

総務省では、こうした公衆無線LANサービスを取り巻く状況の変化等を踏まえて、「無線LANビジネスガイドライン第2版5」を、平成28年9月に公表した。

なお、大規模災害時において電気通信事業者等の公衆無線LANネットワークを開放することは、被災地における通信手段確保の観点から重要な取組であり、「無線LANビジネス推進連絡会6」が定めるガイドライン7を踏まえて、災害用統一SSID「00000JAPAN」が「平成28年(2016年)熊本地震」で初めて運用8された。



3 「利用しやすく安全な公衆無線LAN環境の実現に向けて〜訪日外国人に対する無料公衆無線LANサービスの利用開始手続の簡素化・一元化の実現等に向けた取組方針〜」の公表:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000102.html別ウィンドウで開きます

4 一般社団法人公衆無線LAN認証管理機構:http://www.wlan-authmng.or.jp/別ウィンドウで開きます

5 無線LANビジネスガイドライン第2版:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000112.html別ウィンドウで開きます

6 無線LANビジネス推進連絡会:http://wlan-business.org/別ウィンドウで開きます

7 大規模災害時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン

8 平成28年度は、「平成28年(2016年)熊本地震」のほか、「平成28年台風第10号」及び「平成28年(2016年)鳥取県中部の地震」でも実施されている。

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