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第1部 特集 データ主導経済と社会変革
第3節 IoT化する情報通信産業

(3)プラットフォーム

次に、IoT時代のインフラを支えるプラットフォームレイヤーのトレンドについて、データセンター及びクラウド市場について整理する。

爆発的に増大するデータトラヒックの保管や処理等を担うデータセンター市場の動向についてみてみる。データセンターとは、コンピューター(メインフレーム、ミニコンピューター、サーバー等)やデータ通信装置等を設置・運用することに特化した施設の総称であり、データセンターサービスとは主に企業の情報システムをデータセンターで監視・運用・管理等を行うサービスである。仮想化技術、後述するクラウド、ビッグデータといったトレンドを受けて、ICTシステムを実質的に支えるデータセンターの重要性は増している。IHS Technologyによれば、データセンター市場は、高成長が続くクラウドサービスに加え、世界各地域で利用が拡大している動画などのコンテンツサービスにおいても重要な提供・配信基盤であり、またフィンテックなど金融サービスにおけるICT化の進行においても重要なインフラとして位置づけられ、事業者の売上高も年5-10%程度のペースで増加が続いている(図表3-3-3-5)。データセンター事業者の市場規模はこれまで最大であった北米に加え、中国やその他アジアを中心に成長が見込まれる(図表3-3-3-6)。

図表3-3-3-5 世界のデータセンター売上高の推移及び予測(カテゴリ別)
(出典)IHS Technology
図表3-3-3-6 世界のデータセンター売上高の推移及び予測(地域別)
(出典)IHS Technology

次に、データセンターの用途の一つであるクラウドサービスについてみてみる。クラウドサービスとは、インターネット上に設けたリソース(サーバー、アプリケーション、データセンター、ケーブル等)を提供するサービスであり、前述したデータセンターはクラウドを構成する要素の一部と捉えることができる。コンテンツ配信や電子商取引(EC)など従来より成長しているICT市場からIoTで多様なプラットフォームやサービス・アプリケーションを支えている。クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaS、CaaS)の世界市場は企業のITにおけるインターネット(クラウド)の活用の増加に伴い、年30%-50%以上の高成長がみられてきた。クラウドサービスは、モノのインターネット化(IoT、Internet of Things)を活用したサービスや社会の実現において重要なプラットフォームであることから、今後も年20%台の成長率が続くと見込まれ、2016年には1,259億ドル、2020年まではその2倍以上の3,091億ドル規模に達すると予想される(図表3-3-3-7図表3-3-3-8)。

図表3-3-3-7 世界のクラウドサービス売上高の推移及び予測(カテゴリ別)
(出典)IHS Technology
図表3-3-3-8 世界のクラウドサービス売上高の推移及び予測(地域別)
(出典)IHS Technology
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