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第2部 基本データと政策動向
第2節 ICTサービスの利用動向

(2)電気通信の利用状況

ア 通信回数・通信時間
(ア)総通信回数・総通信時間

●総通信回数及び通信時間は減少傾向

2015年度における我が国の総通信回数は893.5億回(前年度比4.1%減)、総通信時間は3372.1百万時間(前年度比0.8%減)であり、いずれも減少が続いている。

発信端末別の通信回数では、IP電話発が149.1億回(前年度比1.8%増)と引き続き増加している一方、固定系11発は226.4億回(前年度12.7%減)と減少している。また、一貫して増加傾向にあった移動系12発の通信回数は2012年度に初めて減少し、2015年度も518.1億回(前年度比1.6%減)となった(図表6-2-2-19)。

図表6-2-2-19 通信回数の推移(発信端末別)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)」
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban03_02000398.html別ウィンドウで開きます
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発信端末別の通信時間では、IP電話発が488.3百万時間(前年度比4.1%減)と減少し、固定系発は653.1百万時間(前年度比15.0%減)と減少を続けている。一方、移動系発の通信時間は前年度比5.1%増の2230.6百万時間となった(図表6-2-2-20)。

図表6-2-2-20 通信時間の推移(発信端末別)
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)」
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2015年度における、1契約当たりの1日の通信時間は、固定通信では、加入電話が2分55秒(前年度差17秒減)、ISDNは11分23秒(前年度差38秒減)、IP電話が2分10秒(前年度差15秒減)といずれも減少している。移動通信では、携帯電話・PHSが2分18秒(前年度差2秒増)となっている(図表6-2-2-21)。

図表6-2-2-21 1契約当たりの1日の通信時間の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)」
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(イ)距離区分別の通信状況

●固定通信(加入電話・ISDN)については60.1%、携帯電話・PHSについて79.2%が同一都道府県内での通信

固定通信(加入電話及びISDN)から発信される通信について、同一単位料金区域(MA:Message Area)内に終始する通信回数の割合は43.9%、隣接MAとの通信回数割合は12.9%であり、両者を合わせると、56.8%となる。県内・県外別の通信回数比率では、同一都道府県内に終始する県内通信が60.1%となっている(図表6-2-2-22)。

図表6-2-2-22 固定通信(加入電話・ISDN)の距離区分別通信回数構成比の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)」
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また、携帯電話・PHSの同一都道府県内に終始する通信回数の比率は79.2%となっている(図表6-2-2-23)。

図表6-2-2-23 携帯電話・PHSの距離区分別通信回数構成比の推移
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)」
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(ウ)時間帯別の通信状況

●通信回数、通信時間については、固定通信は9時〜正午及び13時〜18時の時間帯が、移動通信は夕方18時がピークとなっている

A 固定通信の時間帯別通信回数・通信時間

固定通信の時間帯別通信回数は、企業等の業務時間である9時から正午までと、13時から18時までの時間帯が多くなっている。また、時間帯別通信時間も、通信回数と同様の傾向を示している(図表6-2-2-24図表6-2-2-25)。

図表6-2-2-24 固定通信と移動通信の時間帯別通信回数の比較
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)
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図表6-2-2-25 固定通信と移動通信の時間帯別通信時間の比較
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)
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B 移動通信の時間帯別通信回数・通信時間

移動通信(携帯電話及びPHS)の時間帯別通信回数は、朝8時頃から増加した後、夕方18時前後に通信回数のピークを迎え、その後減少している。また、通話時間についても朝8時頃から増加し始めるが、夕方、17時から18時ごろにピークを迎え、その後減少するものの、深夜24時を過ぎても通信時間が多い傾向がみられる(図表6-2-2-24図表6-2-2-25)。また、固定通信と移動通信の平均通話時間を比較すると、固定通信のピークが21時から22時であるのに対し、移動通信のピークは2時頃と、異なる傾向がみられる(図表6-2-2-26)。

図表6-2-2-26 固定電話と移動電話の平均通話時間の比較
(出典)総務省「通信量からみた我が国の音声通信利用状況(平成27年度)
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イ トラヒックの状況
(ア)インターネットのトラヒック

●我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックは、2016年11月時点で平均約8.3Tbpsに達し、前年同月比52.2%増加

A ブロードバンド契約者のトラヒックの推移

2016年11月時点の国内ISP5社13のブロードバンドサービス契約者のトラヒックについては、ダウンロードトラヒック(A1 OUT)が月間平均で3396.6Gbps(前年同月比45.4%増)となり、増加傾向である。ダウンロードトラヒック(A1 OUT)とアップロードトラヒック(A1 IN:602.5Gbps)の比は5.6倍(前年度は5.2倍)と差が広がっており、ダウンロード型の利用が中心である(図表6-2-2-27)。

図表6-2-2-27 我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算※1※2
(出典)総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算2016年11月の集計結果の公表」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000119.html別ウィンドウで開きます
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B ISP間で交換されるトラヒックの推移

ISP間で交換されるトラヒックについては、国内主要IX14と交換されるトラヒック(B1)、国内主要IXを介さず国内ISP等と交換されるトラヒック(B2)及び国外ISP等と交換されるトラヒック(B3)のいずれも流入が流出を上回っており、その差は拡大傾向である(図表6-2-2-27)。

C 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推定

国内ISP5社のブロードバンドサービス契約者(FTTH, DSL, CATV, FWA)のトラヒック(A1)と、我が国のブロードバンド契約数における国内ISP5社の契約数のシェアから、我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラヒックを試算した。その結果、2016年11月時点では平均で約8.3Tbpsのトラヒックがインターネット上を流通していると推定される。同トラヒックは前年同月比52.2%増となるなど、近年のインターネット上のトラヒックは引き続き増加している(図表6-2-2-27図表6-2-2-28)。

図表6-2-2-28 我が国のインターネット上を流通するトラヒックの推移
(出典)総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算2016年11月の集計結果の公表」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000119.html別ウィンドウで開きます
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(イ)移動通信のトラヒック

●直近1年間では約1.4倍のペースで移動通信トラヒックが増加

近年、データ通信を中心としたトラヒックの増加が移動通信システムに係る周波数のひっ迫の大きな要因となっていることに鑑み、移動通信事業社5社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、UQコミュニケーションズ、Wireless City Planning)の協力を得て、移動通信のトラヒック量(非音声)のデータを集計・分析した結果、2017年3月現在の、移動通信のトラヒックは、平均1815.6Gbpsとなり、直近1年間で約1.4倍に増加している(図表6-2-2-29)。

図表6-2-2-29 我が国の移動通信の月間平均トラヒックの推移
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html別ウィンドウで開きます
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(ウ)時間帯別トラヒックの推移
A 一週間の推移

ISP5社のブロードバンド契約者の時間帯別トラヒックの一週間の推移をみると、全ての曜日において年々増加している。移動通信のトラヒック推移についても同様に全ての曜日において増加傾向となっている(図表6-2-2-30図表6-2-2-31)。

図表6-2-2-30 ISP5社のブロードバンド契約者のトラヒックの推移
(出典)総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算2016年11月の集計結果の公表」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000119.html別ウィンドウで開きます
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図表6-2-2-31 移動通信トラヒックの推移
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html別ウィンドウで開きます
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B 曜日別の変化

ISP5社のブロードバンド契約者の時間帯別トラヒックの曜日別変化をみると、全ての曜日において21時から23時がピークの時間帯となっており、休日は朝から昼にかけて急激に増加し、その後夕方にかけて微増している(図表6-2-2-32)。

図表6-2-2-32 IP5社のブロードバンド契約者のトラヒックの曜日別変化
(出典)総務省「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算2016年11月の集計結果の公表」により作成
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000119.html別ウィンドウで開きます
「図表6-2-2-32 IP5社のブロードバンド契約者のトラヒックの曜日別変化」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

一方、移動通信トラヒックの曜日別変化をみると、平日は朝から夕方にかけて徐々にトラヒックが増加し、昼休み帯(12時から13時まで)に一時的なピークがある。休日は朝から昼にかけて急激に増加している。平日及び休日ともに、夜間帯にトラヒックが急増し、22時頃がピークの時間帯となっている(図表6-2-2-33)。

図表6-2-2-33 移動通信トラヒックの曜日別変化
(出典)総務省「情報通信統計データベース」により作成
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/tsuushin06.html別ウィンドウで開きます
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ウ 電気通信サービスに関する相談・苦情等

●電気通信サービスに関する苦情・相談等の件数は、減少に転じる

2016年度の総務省に寄せられた電気通信サービスの苦情・相談等の件数は9,093件であり、前年度に比べ10.2%減少した(図表6-2-2-34)。全国の消費生活センター等及び総務省で受け付けた苦情・相談内容をサービス別に見ると、「FTTHサービス」に関するものが最も高い(図表6-2-2-35)。

図表6-2-2-34 総務省に寄せられた苦情・相談等の件数の推移
(出典)「ICTサービス安心・安全研究会消費者保護ルール実施状況のモニタリング会合(第3回)」
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図表6-2-2-35 全国の消費生活センター及び総務省で受け付けた苦情・相談内容の内訳(2016年7月〜2017年3月に受け付けたものから無作為抽出)
(出典)「ICTサービス安心・安全研究会消費者保護ルール実施状況のモニタリング会合(第3回)」
「図表6-2-2-35 全国の消費生活センター及び総務省で受け付けた苦情・相談内容の内訳(2016年7月〜2017年3月に受け付けたものから無作為抽出)」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら
エ IPv6対応に係る現状
(ア)IPv4アドレス在庫の枯渇状況

●APNIC/JPNICのIPv4アドレスの通常在庫が枯渇

IPv4 アドレスについては、2011年2月3日にIANA15の世界共通在庫が枯渇し、わずか2か月後の4月15日には、アジア太平洋地域にIPアドレスを分配しているAPNICと我が国のIPアドレスを管理するJPNICにおいてIPv4アドレスの在庫が枯渇した(予想より大幅な前倒し)。その後、2012年9月14日にはRIPE NCC16が、2014年6月10日にはLACNIC17が、2015年9月24日にはARIN18のIPv4アドレス在庫が枯渇した(図表6-2-2-36)。

図表6-2-2-36 IPv4アドレス在庫の消費
(出典)総務省「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会第三次報告書」を元に総務省作成
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/ipv6_internet/01kiban04_02000029.html別ウィンドウで開きます
「図表6-2-2-36 IPv4アドレス在庫の消費」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら
(イ)IPv6への対応状況

●大手ISPを中心にIPv6対応が本格化

APNIC/JPNICにおけるIPv4アドレス在庫が枯渇した2011年4月からアクセス回線事業者のIPv6対応が本格化しており、主要な事業者においては既にIPv6インターネット接続サービスが提供されている。IPv6普及・高度化推進協議会の調査によると、NTT東西の提供するFTTH回線であるフレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率が、2017年3月時点で30.5%に達している(図表6-2-2-37

図表6-2-2-37 フレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率
(出典)IPv6普及・高度化推進協議会「アクセス網におけるIPv6の普及状況調査」を元に総務省作成
http://v6pc.jp/jp/spread/ipv6spread_03.phtml別ウィンドウで開きます
「図表6-2-2-37 フレッツ光ネクストにおけるIPv6普及率」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

また、ISPについては、アクセス回線事業者のIPv6対応に合わせて、大手ISPを中心にIPv6インターネット接続サービスの提供が進展している。2017年3月に総務省が実施したアンケート調査に対し、加入者10万契約以上のISPでは84.6%がIPv6インターネットサービスを「提供中」もしくは「実験/試行サービス中」と回答している。特に、100万契約以上のISPでは100%がIPv6インターネットサービスを「提供中」と回答している。一方で加入者1万契約未満のISPでは56.4%が「検討の上、提供しないと決定」か「未検討」と回答しており、大規模ISPと比較してIPv6対応が遅れている(図表6-2-2-38)。

図表6-2-2-38 IPv6サービスの対応状況(ISP規模別)
(出典)総務省アンケート調査により作成
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11 「固定系」は加入電話、公衆電話、ISDNの総計。

12 「移動系」は携帯電話及びPHSの総計。

13 ISP5社(協力ISP5社((株)インターネットイニシアティブ(IIJ)、NTTコミュニケーションズ(株)、(株)ケイ・オプティコム、KDDI(株)及びソフトバンク(株))の集計。

14 インターネットマルチフィード(株)、エクイニクス・ジャパン(株)、日本インターネットエクスチェンジ(株)、BBIX(株)及びWIDE Projectがそれぞれ運営するIXの集計。

15 IANA(Internet Assigned Numbers Authority)とは、インターネット上で利用されるアドレス資源をグローバルに管理する管理元。

16 RIPE NCC(Réseaux IP Européens Network Coordination Centre)とは、ヨーロッパ、中近東、アジアの一部を管轄する地域インターネットレジストリ。

17 LACNIC(Latin American and Caribbean Internet Address Registry)とは、中南米地域を管轄する地域インターネットレジストリ。

18 ARIN(American Registry for Internet Numbers)とは、北米地域を管轄する地域インターネットレジストリ。

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