次に、通信事業を含むICT産業1全体がどのように成長したかをみてみよう。1985年に約40兆円であったICT産業の実質国内生産額は、2013年には約98兆円に達し、約2.4倍に拡大している。通信自由化以降のICT基盤の整備やICT利活用の進展により、通信事業だけでなく、ICT産業全体が大きく成長したことがわかる(図表1-2-1-2)。
さらに、部門別の推移をみてみよう。ここでは、2005年を100として各部門の実質国内生産額の推移をグラフ化した2。いずれの部門も伸びているが、特に通信業と情報サービス業の伸び率が高い。これらの部門の成長が、ICT産業の成長を牽引してきたことがうかがえる(図表1-2-1-3)。
1 ICT産業は①通信業、②放送業、③情報サービス業、④インターネット附随サービス業、⑤映像・音声・文字情報制作業、⑥情報通信関連製造業、⑦情報通信関連サービス業、⑧情報通信関連建設業、⑨研究の9部門。このうち④インターネット附随サービス業は2005年から追加された分類である。更に詳しくは巻末の付注1-1を参照。
2 景気変動の影響を受けやすい「情報通信関連建設業」と、2005年から追加された「インターネット附随サービス業」は除外した。