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第2部 ICTが拓く未来社会
第4節 オリンピック・パラリンピックとICT

みんなで考える情報通信白書

ワークショップ:ICTを活用した自分の未来の行動シーンを想像する

2015年3月1日、横浜市mass×mass関内フューチャーセンターで、「2030年、働き方と暮らし方を考えるワークショップ〜ICTを活用した自分の未来の行動シーンを想像する〜」を開催した10。募集の結果、26名の方にご参加いただいた。ワークショップでは、参加者に未来のICTサービスのプロトタイプ(試作品)を実際に作ってもらうことで、ICTの進化について人々が抱いているイメージを可視化することを目指した。


1 2030年の自分と未来のICTでやりたいことをイメージ

まず、26名の参加者を7グループに分けた上で、参加者に、自分が普段どのようなICTサービスをよく使うかを話し合ってもらった。続いて、2030年に自分の家族がどのような構成になっているかや、2030年に自分がどのようなことを普段しているかを想像してもらった。その上で、「未来のICTでやりたいこと」を所定のシートに描いてもらった。


2 未来のICTサービスのプロトタイプを作成

次に、参加者に、自分が描いた「未来のICTでやりたいこと」を元に、実際にプロトタイプを作ってもらった(図表1)。その際、参加者には、①「身に着けるもの」、②「手で持ったりしてつかうもの」、③「部屋や家の中にあるもの」、④「乗りもの」、⑤「外出先にあるもの」、⑥「近くにいてくれるもの」、⑦「その他」のいずれかに当てはまるプロトタイプを作ってもらった。プロトタイプの材料は主催者側が様々なものを用意した。

図表1 プロトタイプ作成模様

3 プロトタイプを基に未来のICT利用シーンを議論

プロトタイプ完成後、グループ替えを行い、参加者同士で、自分が作ったプロトタイプとその元になったアイデア(「未来のICTでやりたいこと」)について発表してもらった。その後、グループ内で、お互いの発表について感想を述べ合ってもらった。その結果、作った本人が思いつかなかったプロトタイプの新たな使い道が発見できたケースもあった(図表2)。

図表2 再グループ編成後のアイデアとプロトタイプの共有の模様

4 参加者の投票で上位10個のプロトタイプを決定

最後に、参加者全員の投票で、特に優れていると思うプロトタイプを選んでもらった。投票の結果上位10位に入ったプロトタイプの作成者には、参加者全員に対して発表してもらった(図表3)。上位10位に選ばれたプロトタイプは次のとおりである(図表4)。

図表3 上位10個のプロトタイプの発表模様
図表4 発表対象となった上位10個のプロトタイプ

部屋ごとに分離でき、外に自動移動可能な「ムーバブル・モジュール・ハウス」、部屋の全方位をディスプレイとして過去の記憶や体験を再体験できる「タイムトラベル?過去の旅行を再現」、デジタルデータを物理的なものに変換する「思い出データのモノ化」、自分の手の動きに合わせて3次元に動く「第三の手」など、現在のICTサービスの単純な発展にとどまらない、独創的なプロトタイプが作成された。ICTの進化について人々が抱いているイメージが、いかに多様であるかが改めて確認できた。



10 総務省「2020年代に普及する革新的なICTサービス・技術に関する調査研究」(平成27年)での取組として実施。ワークショップの主催は、調査研究を受託した株式会社NTTデータ経営研究所、企画運営サポート・ファシリテーションは一般社団法人SoLaBoが行った。

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