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第3部 基本データと政策動向
第7節 ICT研究開発の推進

(3)電磁波センシング基盤技術

NICTでは、局地的な大雨の検出・予測精度の向上、水循環の仕組みの解明とその予測精度の高度化のためのレーダーやライダー等の研究開発を実施している。平成26年度は、神戸・沖縄に整備したレーダー・ライダー融合システムの実証実験を実施した。また、宇宙航空研究開発機構と共同で開発した二周波降水レーダーを搭載したGPM(全球降水観測)計画の主衛星の打ち上げに伴い、二周波降水レーダプロダクトの評価を実施したほか、熱帯降雨観測衛星(TRMM)のミッション終了期における特別実験を計画・実施し、データの解析を行った。

さらに、NICTでは、大規模災害発生時の被害状況把握を可能とする航空機搭載合成開口レーダーの研究開発を実施しており、平成26年度は御嶽山噴火後に観測飛行を行い、機上から関係機関に観測データを提供した(図表8-7-6-2)。総務省では、同技術の早期実用展開を目指した装置の小型化に向けた研究開発・実証実験を実施した。

図表8-7-6-2 航空機搭載合成開口レーダーによる御嶽山観測で確認された火口の様子
(C)NICT

この他、NICTでは、気候変動予測精度向上や大気環境診断のためのミリ波、サブミリ波センサ、飛翔体搭載ライダーの研究開発を実施している。平成26年度は、搭載型ライダーモバイルシステムの調整・評価を行い、風計測・CO2計測のフィールド実証試験を開始した。また、通信/放送/測位/衛星利用などに影響をおよぼす太陽活動や地球近傍の電磁環境などの監視を行い「宇宙天気予報」を配信している。平成26年度は、年度末に打ち上げられた実用宇宙天気観測衛星からのデータ受信用機器開発・整備を進めるほか、電離層局所モデルの開発や太陽風シミュレーションの改良を実施した。

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