ウェアラブルデバイスとは、腕や頭部などの身体に装着して利用するICT端末のことである。デバイスに搭載されたセンサーを通じて装着している人の生体情報を取得・送信し、クラウド上で解析しフィードバックすることで、フィットネスやヘルスケア分野などでの活用が期待されている。また、スマートフォンと連携してのハンズフリーでのアプリ操作や、産業分野での作業支援などにも使われ始めている(図表4-1-1-1)。
このようなウェアラブルデバイスのコンセプト自体は古くから存在し、現にSF作品等では様々な形態のウェアラブルデバイスが描かれてきたが、実用性のある新商品として注目を集めるようになったのはここ数年のことである。近時急速に実用化・商用化が進んだ背景としては、以下の各点を挙げることができる。
第1に、センサー機器をはじめとするデバイスの小型化・軽量化が進み、使用者の装着時の負担や違和感が軽減したことである。
第2に、スマートフォンの普及により、スマートフォンを経由したテザリングによるインターネット接続が可能となり、併せて、低消費電力の近距離無線通信技術が発達し、長時間のインターネット接続が可能となったことである。
第3に、クラウドの普及やデータ解析技術の発達により、センサーを通じて取得・送信した多種多様なデータをクラウド上で蓄積・分析できるようになったことである(図表4-1-1-2)。