総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > IoTに向けた事業者の動き
第2部 ICTが拓く未来社会
第4節 ICT化の進展がもたらす経済構造の変化

(4)IoTに向けた事業者の動き

IoTの実現は、データの蓄積や分析で改良される「ソフト」の更新により、「ハード」を変えずにモノやサービスが進化を続けることを意味し、ソフトやデータをハードが支配する、従来のものづくりの考え方を根底から覆す可能性を有している。こうした潜在性に着目し、諸外国では様々なプレイヤーが、研究開発・標準化をはじめ、IoTの世界で覇権を握ろうと積極的に取り組んでいる。

主要国政府、国際標準化団体、さらに民間企業によるIoTに関するアライアンスやコンソーシアムの取り組みが活発になってきている。民間コンソーシアムの代表的事例で2014年3月に設立された「インダストリアル・インターネットコンソーシアム」は、世界最大手の総合メーカーであり産業向けソリューションや分析ソフトも有しているGeneral Electric(GE)、同様に分析ソフトに強みをもつIBM、半導体のIntel、通信機器のCisco、ネットワークを提供するAT&Tの米国5社が創設メンバーとなっている。米国企業を中心に参加企業は167社に拡大している(2015年6月時点)。同コンソーシアムが着目するのは、とりわけ前述した産業分野へのIoT活用である。具体的には、参画企業が共同で、実際の工場や産業インフラを使用した実証実験を開始しており、生産性向上や、ソフトのダウンロードによる工作機械の機能拡張などを目指している。これらの取り組みにより、関連製品やサービスの需要拡大を目指している。また、米Qualcommを中心として2013年12月に設立された「オールシーンアライアンス」は、Microsoftやソニーなど一般消費者向けの家電を有する多くの企業が参画している。GEなどが手掛ける産業向けとは異なり、消費者との連携を軸に、個人向けIoTを中心に取り組んでいる。

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