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第2部 ICTが拓く未来社会
第1節 我が国経済の将来課題とICT

(2)ICT産業の我が国経済への寄与

ア ICT産業の経済波及効果

●ICT産業の経済波及効果は、付加価値誘発額及び雇用誘発数において、全産業最大の規模

ICT産業の実質国内生産額は2013年時点で98.1兆円である。その経済波及効果をみると10、ICT産業の付加価値誘発額は88.5兆円、雇用誘発数は765.8万人となっており、我が国の産業の中でも最大規模となっている。なお、1995年時点では、ICT産業の実質国内生産額は63.3兆円であり、その付加価値誘発額は57.0兆円、雇用誘発数は653.6万人であった。ICT産業は技術革新の影響が大きいため、雇用誘発力よりも付加価値誘発力が強くなると考えられる(図表5-1-3-4)。

図表5-1-3-4 主な産業部門の生産活動による経済波及効果(付加価値誘発額、雇用誘発数)の推移
(出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成27年)
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1990年代後半以降、鉄鋼や電気機械などの一般産業は、付加価値誘発額・雇用誘発数が横ばい傾向であるのに対し、ICT産業の誘発は(特に付加価値額について)2010年までに急激に上昇し、その後も高水準を保っている。

イ ICT産業の経済成長への寄与

●実質GDP成長率へのICT産業の寄与度は一貫してプラス

第1章でもみたように、実質GDP成長率へのICT産業の寄与度を1985年から3年刻み(85年から95年までは5年刻み)でみると、ICT産業の寄与度はいずれもプラスとなっている。特に2007〜10年は実質GDPが大幅にマイナスになっているのに対し、ICT産業の寄与度はプラスを維持している(図表5-1-3-5)。

図表5-1-3-5 実質GDP成長率に対するICT産業の寄与【再掲】
(出典)総務省「ICTの経済分析に関する調査」(平成27年)
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10 経済波及効果の計測方法としては、①最終需要となる財・サービスに着目して、当該部門の最終需要が国内産業にもたらす経済波及効果をみる方法と、②産業部門に着目して、当該部門の生産活動(最終需要と中間需要の合計)が国内産業にもたらす経済波及効果をみる方法がある。ここでは後者を採用している。

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