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第3部 基本データと政策動向
第9節 行政・消防防災情報化の推進

(4)防災×ICTの推進

総務省では、地理空間情報(G空間情報)のICTによる利活用を促進し、防災力の向上及び地域活性化を推進するため、「G空間シティ構築事業」を実施しており、平成26年7月に、「世界最先端のG空間防災モデル」等の実証事業について、10件を採択した(図表8-9-4-3)。

図表8-9-4-3 G空間シティ構築事業・実施地域一覧

各実証事業では、産学官の連携によって、G空間情報を活用した、津波浸水や土砂災害による被害予測のシミュレーション、地下街等の災害発生時に適切な避難経路等を伝達するアプリ等を開発し、先端的な防災システムを構築した。

また、G空間×ICT関連施策の国内外への成果展開等を図るため、平成27年2月に全国5箇所で「G空間シティ構築事業地域報告会」を、同年3月には「G空間シティ構築事業成果報告会」及び「G空間×ICTの海外展開に向けた国際シンポジウム」を開催するとともに、同月の国連防災世界会議(仙台)においても、関連施策に関するパネル展示を行う等、参加各国間で事業の成果を共有した。

また、総務省では、災害発生時やその復興局面等において、公共情報を発信する自治体・ライフライン事業者などと、それを伝える放送事業者・通信事業者を結ぶ共通基盤である「Lアラート(災害情報共有システム)」の全国普及に向けて取り組んでいる。

Lアラートは、地方自治体やライフライン関連事業者など情報を発信する「情報発信者」と、放送事業者、新聞社、通信事業者などその情報を住民に伝える「情報伝達者」とが、共通に利用することによって、効率的な情報伝達を実現するものである。また、全国の情報発信者が発信した情報を、地域を越えて全国の情報伝達者に一斉に配信できるため、住民はテレビ、ラジオ、携帯電話、ポータルサイト等の様々なメディアを通じて情報を入手することが可能となる(図表8-9-4-4)。

図表8-9-4-4 Lアラート(災害情報共有システム)の概要

平成26年8月には「災害時等の情報伝達の共通基盤の在り方に関する研究会」において、Lアラートの「普及加速化パッケージ」を盛り込んだ報告書が取りまとめられた。これを踏まえ、総務省では一般財団法人マルチメディア振興センターと共催で平成26年11月に「Lアラートシンポジウム 2014 」を開催するなど、Lアラートの普及のための取組を進めてきた。その結果、平成26年度末には全都道府県においてLアラートの運用が開始、もしくは運用に向けた準備が進められ(図表8-9-4-5)、全国基盤としての体制が確立されるとともに、通信分野をはじめとしたライフライン事業者の参画や参加メディア数が大幅に拡大する等、Lアラートは着実に普及・発展してきている。

図表8-9-4-5 Lアラートの普及状況
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