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第2部 ICT が拓く未来社会
第3章 地域の未来とICT

第3章 地域の未来とICT

地域1経済の活性化なくして日本経済の再生はない。輸送・交通網の発達やICTの進歩によって経済活動における地理的制約はかつてに比べれば弱まっているものの、地理的制約を離れグローバルに立地を選択する産業は大規模製造業等の一部の産業にとどまっている。サービス産業をはじめとする多くの産業は顧客との対面での接触を前提に成り立っており、国民の大半が従事するこれらの産業において、地域の盛衰と企業の盛衰は直結している。

人々の日々の暮らしという点でも、活力ある地域は豊かな暮らしの条件である。ICTの進歩によって可能となったオンラインでのコミュニケーションや各種サービス、コミュニティ活動は、私たちの生活の利便性を確実に向上させている。しかし、私たちが結局は生身の人間である以上、オンラインでのこれらの活動は、地域の役割を補完するものではあっても、それを完全に代替するものとはなり得ない。

生活課題への対応という観点からみても、防災や防犯をはじめとして、地域を単位として取り組むことで初めて有効な対応が可能となる課題は多い。

以上を総合すれば、現在は勿論のこと、中長期的な未来においても、地域の重要性は何ら変わることはなく、むしろ高まっていくと考えられる。地域活性化あるいは「地方創生」が政府の中長期的な最重要課題と位置づけられるのも、当然のことと言えるだろう。

それでは、ICTは地域活性化のためどのように役立つのだろうか。本章では、ICTによる地域活性化の可能性を多角的に検証していく。



1 本章では、「地域」という語を、日本全国と対比される個別の領域を表す意味で用いる。また「地方」及び「地方部」という語を、特に断りのない限り、三大都市圏以外の地域を表す意味で用いる。

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