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第2部 ICTが拓く未来社会
第2節 ICT産業のグローバルトレンド

(2)我が国ICT産業の動向

我が国においては、NTTグループ・KDDIグループ・ソフトバンクグル―プの3社(グループ)体制の下で、早くから世界的にも高品質な移動体通信インフラサービスを展開し、音声サービス市場が縮小傾向にある中、付加価値の高いデータ通信サービス市場の拡大を図ってきている。実際に各社のARPUについてみると、音声ARPUが急激に縮小する中で、それを補う形でデータARPUが堅調に増加している(図表5-2-5-10)。その結果、各社とも比較的高い収益性を確保している(図表5-2-5-11)。

図表5-2-5-10 国内移動体3社の直近5年間の移動体ARPU(音声・データ)の推移
(出典)総務省「競争評価2013」*19より作成
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図表5-2-5-11 国内移動体3社の直近5年間の営業利益率の推移
(出典)総務省「競争評価2013」より作成
「図表5-2-5-11 国内移動体3社の直近5年間の営業利益率の推移」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

また、前出の2014年第2四半期移動体事業者ランキング(図表5-2-5-9)にて現在の3社のポジションについてみると、売上ベースでは4位にソフトバンクグループ、8位にNTTドコモグループ、13位にau(KDDI)と上位に入っている状況である。

3社の売上高をみると、NTT民営化時の約5兆円の4倍の約22兆円へと拡大した(第1章第2節 図表1-2-1-1参照)。3社とも売上高のランキングではそれぞれ4位、8位、13位と競争力が高く、特にソフトバンクグループにおいては2013年のSprintの買収効果で収益が大幅に増加している。

一方で、国内通信市場の中長期的な成長鈍化・飽和を見据えて、近年は海外市場への進出(出資等)を加速している。国内市場と国際市場で分けると、海外売上高比率は2013年時点で約18%となっている。

NTTグループは、ICTサービス・ソリューション系分野の企業買収を積極的に行いながら、世界各国への展開を進めている。KDDIグループにおいては、2014年7月に住友商事とともにミャンマーの国営通信会社MPT(Myanmar Posts and Telecommunications)との共同事業を開始すると発表しており、同国の携帯電話事業に参入した。ソフトバンクグループにおいては、2013年7月に移動体第3位のSprint Nextelを買収し、「2強」であるAT&T及びVerizon Communicationとの競争を本格的に展開している。ソフトバンクは、世界55か国に拠点を構えて携帯端末の卸売事業を展開する米国大手Brightstar Corpの株式を取得し子会社化し、端末流通に係るエコシステムにおいて主導権を握りながら、一体的経営を目指している。



19 電気通信事業分野における競争状況の評価:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyousouhyouka/別ウィンドウで開きます

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