総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > コミュニケーション活動におけるICT利活用の進展
第1部 ICTの進化を振り返る
第1節 生活の隅々へのICT利活用の浸透

(3)コミュニケーション活動におけるICT利活用の進展

パソコン通信やインターネットが登場する以前は、大多数の人にとって、自分の考えを広く世の中に発信することは難しかった。本を出版したり、新聞や雑誌に投稿したり、という方法はあったが、いずれもハードルが高かった。また、直接面識のない人同士が何かのテーマについて話し合うことも簡単ではなかった。公共施設の掲示板や雑誌などで参加者を募集した上で、それを見た人同士が決められた日時に決められた場所へと集まる必要があり、大変な時間と手間がかかった。コミュニケーション活動をその態様に応じて、「1対1」、「1対多」、「多対多」に分類した場合、「1対1」のコミュニケーションについてはかつても手紙や電話が存在したが、「1対多」や「多対多」のコミュニケーションを普通の人が日常的に行う方法は、極めて限られていた。

1980年代後半にパソコン通信が登場すると、テーマに応じたフォーラム(電子会議室)が開設され、見知らぬ人同士が簡単に情報や意見を交換できるようになった。1990年代後半にインターネットが登場すると、ホームページを開設すれば、誰もが全世界へと自分の考えを発信することが可能になった。

2000年代前半にブログサービスが登場すると、HTML9等の特別な知識がなくても簡単にインターネット上で情報発信を行えるようになり、日常の何げない出来事をインターネット上で記録し発信する人が増えた。アクティブブログ(1か月のうちに更新のあったブログ)の数は、2004年9月の103万から2005年10月には307万へと急増している(図表2-1-1-13)。

図表2-1-1-13 国内のアクティブブログの増加
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査研究」(平成23年)
「図表2-1-1-13 国内のアクティブブログの増加」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

さらに、2000年代後半になるとSNSが登場した。SNSは、自分の投稿をネット全体、会員全体、特定のグループ、コミュニティ等を選択の上公開できる上に、他のユーザーの投稿を閲覧したり、コメントしたり、メッセージを送ったりすることができる機能を備えており、コミュニケーション活動の手段として幅広いユーザーを集めた。2004年にサービスを開始したGREEとmixiは、急速に利用者数を拡大させ、2000年代後半における我が国の代表的なSNSとなった。2010年にはいずれも利用者数が2,000万人を超えている(図表2-1-1-14)。

図表2-1-1-14 国内のSNSユーザー数の推移
(出典)各社公表資料より作成


9 Hyper Text Markup Languageの略。WWWコンソーシアムが策定している規格の一つでウェブページを記述するためのマークアップ言語。

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