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第3部 基本データと政策動向
第2節 電気通信事業政策の展開

(3)青少年の利用環境整備

総務省は、グローバル規模での青少年のインターネット利用が進展する中、国際的な動向との調整を図りつつ、青少年に求められるインターネット・リテラシーを的確に把握できるよう、有識者の意見などを踏まえ「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS:Internet Literacy Assessment indicator for Students)を開発し、そのテストを国内の高等学校1年生相当(約3,700名)を対象に平成26年6月から7月にかけて行い、同年9月にその実施結果を公表した(図表8-2-2-1)。

図表8-2-2-1 ILASの実施結果の概要
(出典)総務省「青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査」(平成26年)
「図表8-2-2-1 ILASの実施結果の概要」のExcelはこちらEXCEL / CSVはこちら

同指標は、インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力に重点をおいた指標となっている。同年9月の公表結果では、全ての分類において25年度より平均点が同等かそれ以上となり、全体的にリスク対応能力の向上が見られる一方で、25年度と同様に不適切利用リスクに関する能力が相対的に高いのに対し、不適正取引リスク及びセキュリティリスクに関する能力が相対的に低いという結果になっており、引き続き重点的な啓発が必要とされている。

また、青少年へのスマートフォンの著しい普及に鑑み、従来の携帯電話とは異なるセキュリティ実態等を踏まえ、青少年自身のリテラシー向上に加え、保護者や教職員などのリテラシーの向上の重要性が高まっている。

特に保護者からは、スマートフォンを青少年が安心・安全に利用するために青少年や保護者等が把握しておくべき情報(スマートフォンの特徴、スマートフォン上のサービスの特徴、事業者が提供する安心・安全サービスの概要等)が不足しており、どのように対応すればよいか分からないという声がPTAや消費者団体等を中心に寄せられている。また、地方における情報不足は顕著であり、必要な情報を地方にも展開をして欲しいという要望が関係者から寄せられており、今後とも青少年に対するスマートフォン利用が見込まれることから早急な対応が求められている。

こうした状況に対処するため、各総合通信局及び沖縄総合通信事務所が中心となり、地域における青少年及び保護者・教員等に対して、各地域で活動する関係者(自治体、PTA、消費者団体、学校関係者、有識者、事業者、NPO等)が幅広く連携し、リテラシー向上のための普及啓発活動を実施することができる体制整備を進めるため、地域の関係者が一体となった推進体制の構築や勉強会の開催など総合的な周知啓発活動を展開している。

具体的には、スマートフォンの特性やサービス構造、プライバシーに関する情報、セキュリティ対策、フィルタリングなどの情報を盛り込んだ周知啓発資料やDVD教材、ソーシャルメディアに関するガイドラインづくりを支援するための素材等を関係団体と連携して作成し、ウェブサイトを通じて配布を行うなど周知啓発活動に幅広く活用している。また、特にスマートフォンの普及が著しい高校生や保護者に対して啓発イベントを開催するほか、地域での研修会など草の根レベルでの啓発活動についても幅広く取り組んでいる。インターネットリテラシーの向上についても、総務省は平成26年10月、各地の学校や自治体、企業、NPO等によるインターネットリテラシー等向上のための活動事例を「インターネットリテラシー・マナー等事例集」として公表した。

また、青少年が初めてスマートフォン、タブレット等を手にする春の進学時・新学期を捉え、「春のあんしんネット・新学期一斉行動」と称して、青少年及びその保護者に対して、スマホのリスクや必要な対応についての情報が伝わるよう、関係府省、安心ネットづくり促進協議会などの関係団体及び関係事業者が連携して、スマートフォンやソーシャルメディア等の安心利用について、集中的な啓発活動を展開している(図表8-2-2-2)。

図表8-2-2-2 スマートフォンやソーシャルメディア等の安心利用についての啓発活動
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