総務省トップ > 政策 > 白書 > 27年版 > 通信自由化時のICT産業の構造
第1部 ICTの進化を振り返る
第3節 ICT産業の構造変化

(1)通信自由化時のICT産業の構造

我が国では、歴史的に通信事業者と通信機器事業者による強い協力関係のもとで産業が形成されてきた。第二次世界大戦より以前、電話の早期普及を目指し、通信機器に関する高度な技術の安定的な保持と通信機器間の技術的な接続性の確保等の必要性を背景に、電電公社の前身の逓信省と多数の通信機器事業者との関係基盤が形成された。具体的には、今日の日本電気、日立製作所、富士通、沖電気工業を中心とする企業群である(図表1-3-3-1)。

図表1-3-3-1 電電公社を中心とする通信機器事業者との関係
(出典)総務省情報通信政策研究所「次世代ネットワーク構築に向けたITベンダーの発展について」(平成16年3月)

これらの企業は、電電公社による長期計画や製品仕様を基に、電電公社や他のベンダーでの共同研究を通じて、交換機・コンピューターや付随するソフトウェアを開発してきた。また、電電公社と通信機器事業者は、技術開発、製品開発において協力関係にあり、さらに海外企業との提携関係に基づき、外国の先進技術を導入する役割を果たした。マーケティング部門に経営資源を投入する必然性は少なく、相対的に技術部門に経営資源が集中する傾向があったと指摘されている。

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